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株式会社ユーラスエナジーホールディングス様

証憑の電子化によって作業工数の大幅削減に成功 Excel による会計への自動投入を実現した財務会計基盤を構築

株式会社ユーラスエナジーホールディングス様

■事業内容 : 電気・ガス・熱・水道業

風力および太陽光発電事業

導入の背景

事業規模の拡大に伴ってシステムの刷新を計画

事業規模の拡大に伴ってシステムの刷新を計画

欧米や日本を中心に風力発電事業を展開するなど、世界的に注目されている再生可能エネルギーを手掛けている株式会社ユーラスエナジーホールディングス。1986年にトーメン(現:豊田通商株式会社)グループの電力事業として設立された同社は、日本で初めて風力発電事業を手掛けるなど再生可能エネルギーを取り扱うパイオニア企業であり、太陽光も含めた操業中の設備容量は2016年2月現在で2600MWにも達している。グローバルでは中堅規模ながら、日本では最大の再生可能エネルギーを発電する企業としてエネルギー業界をけん引しており、安定したエネルギー供給と環境負荷低減の両立に大きく貢献している。

そんな同社では、10年ほど前からある会計パッケージを利用してきたが、風力発電を行うプロジェクトの数が増えることで事業規模が急速に拡大し、既存の会計パッケージでは規模的に限界を迎えていた。そこで、既存の業務フローの改善と合わせて、新たな会計パッケージへの刷新を計画することになったという。

導入前の課題

財務経理部の作業負担を軽減する仕組みを目指す

ユーラステクニカルサービス株式会社 花崎氏

当時の状況について、発電所の運転や管理を手掛ける株式会社ユーラステクニカルサービス財務経理部長花崎勇司氏は「発電容量を見ると10年前に比べると、現在は総発電容量が2600MWと当時の3倍ほどに膨らんでおり、事業規模の急速な拡大にシステムが追いつかず、業務フローを見直すタイミングにきていたのです」と当時を振り返る。実際の運用では、SPC(special purpose company:特別目的会社)と呼ばれるプロジェクト単位に設立された会社を管理する事業所ごとにExcelにて伝票を入力したうえで特定の共有フォルダに格納、財務経理部がExcelを1つずつ展開して会計ステムにデータを投入していた。領収書や請求書などの証憑はFAXにて財務経理部に送り、あわせて原本は郵送する運用となっており、事業規模が拡大する中で財務経理部の作業負担は大きくなっていったという。あわせて、Excelを印刷して承認作業を行うなど、システム化されていない運用が多くみられた。

また、以前のシステムは単に決算書を作成するだけのシステムであり、資金繰りや支払処理など手作業による運用が多く、システム化されていないことで統制環境的にも課題があったと花崎氏。

そこで、これまでの運用を大きく見直し、あるべき姿を業務ごとに定義するBPRを実施し、その理想的なプロセスを具現化するための機能が備わった仕組みへの刷新を目指したのだ。

システム選定と導入

Excelでの運用が踏襲できるConnectを評価

ユーラステクニカルサービス株式会社 周藤氏

新たな運用を具現化するなかで同社が注目したのが、スーパーストリーム社が提供する財務会計パッケージ「SuperStream-NX」だった。「現場に混乱を生じさせないためにも、現場ではExcelで入力できるようにしたいと考えていました。システム連携ツールであるConnectを利用することで、既存のExcelでの運用を維持したまま自動仕訳することが可能です。会計以外の仕組みも導入していく計画があったこともあり、データ連携が容易な点を高く評価しました」と語るのは、同部で公認会計士の周藤雅史氏だ。特に同社では、プロジェクトごとにSPCが立ち上がるため、管理すべき法人も現在では40社余りに達している。内部的に複数の会社を一元的管理できることも重要な要件となっており、その点でもSuperStream-NXが評価されている。

また、以前は紙で行っていた承認フローを電子化するべく、ワークフロー機能が求められていた。「内部統制を強化する意味でも、ワークフロー機能が備わったものが求められました。SuperStream-NXであれば標準機能として備わっており、責任の所在も明確にすることが可能です」と周藤氏は評価する。同時に、領収書などの証憑をPDF化し、伝票と紐づけて管理できる仕組みを持っている点も選択のポイントに挙げている。

さらに、以前は入力したデータを可視化するためには、帳票をExcelなどで手作りする必要があったが、SuperStream-NXであれば様々な帳票が用意されており、会社や取引先が増えても帳票に自動反映されるため、帳票作りの手間が大幅に軽減される点も評価の1つだという。同社が求めていた様々な機能が標準機能として提供されている点も選択した大きなポイントだと周藤氏。「カスタマイズがないほうが不具合も起こりにくく、導入も短期間で実現できます。候補として挙げたほかの製品ではカスタマイズが求められる場面もあったのです」。

製品選定の過程では、人事部門や営業部門など、経理部門以外に仕訳を行う可能性のある担当者に触れてもらい、その使い勝手を確認したうえでSuperStream-NXが同社の財務会計基盤として採用されることになる。

導入効果

証憑管理のスキャニングによって確認作業の負担を大幅に軽減

太陽グラントソントン株式会社 小野氏

現在は経理部門のみならず、承認作業を行う各部門の決裁者も含めて80名あまりがSuperStream-NXを利用しており、各SPCの事務処理を担当する8つの事業所と東京を含めた各拠点でExcel による伝票起票が行われている。現場が混乱を生じさせないためにも起票されたExcelを特定のフォルダに格納するところまでは以前の仕組みと同様だが、新しい仕組みではフォルダが更新されたことをシステムが監視し、格納された段階でSuperStreamのシステム連携ツール「Connect」によって会計システムに自動取り込みが行われるようになっている。会計にデータが取り込まれた段階で事前に設定されたワークフローが動き出し、必要な決裁者に承認作業の通知が飛ぶようになっている。また、証憑管理オプションを活用し、以前はFAXで経理部に送っていた領収書や請求書などの証憑がスキャニングされ、伝票と紐づけられて管理可能になっている状況だ。「何か証憑を確認する際には、以前は倉庫に足を運んでファイリングされた紙の束から情報を探す必要がありましたが、今は伝票からすぐに証憑を読み出すことが可能です。 監査の際にも重宝しています」と周藤氏は高く評価する。なおConnectを利用して経費精算など外部のシステムも柔軟に連携が行われている。

新たな仕組みに刷新したことで、月末月初の残業時間を大幅に減らすことが可能になっており、業務の効率化にSuperStream-NXが貢献していると花崎氏は評価する。「作業時間を削減できただけでなく、SPCごとに伝票がシステム内で理路整然と管理されており、数字がしっかりと頭に入ってくるようになりました。以前は待ちの決算でしたが、今は進捗状況がすぐに把握できるようになり、伝票が停滞している場合はこちらから催促することも可能になりました」(花崎氏)。可視化によって履歴がきちんと管理され、内部統制の強化にも大きく役立っていると花崎氏の評価は高い。

周藤氏はWebブラウザで活用できる点にメリットを感じているという。「何かPCが壊れるなどの障害が起こった場合も、クライアントアプリをインストールすることもなくWebブラウザで利用を継続することが可能です。VPNを経由すれば出張時にも会計データを確認することだってできます。データ活用の幅が広がりました」と周藤氏。ほかにも、同社の会計業務をIT面からバックアップしている太陽グラントソントンン株式会社のITコーディネータの小野常太郎氏は、要望にも真摯に対応してもらえる国産パッケージの良さを強く実感しており、その丁寧な作りも評価できるポイントがあると力説する。「科目や部門マスターの更新も、開始日を設定しておけば、期が変わるタイミングで自動的に更新してくれます。運用する側にも優しい作りになっており、とてもありがたい」と小野氏は高く評価している。

今後の展望

固定資産の運用強化や製販システムとの連携を目指す

今後については、風速など発電所で計測されているリアルな操業データを取り込んで操業管理システムを立ち上げる計画となっており、その中核的な仕組みとしてSuperStream-NXを活用していきたいと花崎氏は語る。「SuperStream-NXから利用できるデータはたくさんあるため、連結会計システム“DivaSystem”とSuperStream-NX、そして操業管理システムを一連の基盤として稼働させていきたいと考えています。経営指標となる稼働率などを見ていきながら費用との兼ね合いも見ていくことができるようになるはずです」と花崎氏。

また各SPCの決算書やドリルダウンすることによる段階損益の把握など、現場にもSuperStream-NXのインターフェースを開放していくことも検討されている。ほかにも現状は証憑管理オプションによって証憑の電子化が進んでいるが、同社にメリットがあれば電子帳簿保存法への対応も検討する可能性があり、対応できる環境がすでに整っている状況だ。新たな環境にも柔軟に対応できる財務会計基盤として、今後も積極的に活用していきたいと周藤氏に今後について語っていただいた。

ユーラスエナジーホールディングス株式会社 システム構成図

お客様情報

会社名 株式会社ユーラスエナジーホールディングス
本社 東京都港区虎ノ門四丁目3番13号
URL http://www.eurus-energy.com/
従業員数 312名※(2016年4月1日現在) ※ユーラスエナジーグループ
事業内容 風力および太陽光発電事業

本導入事例に記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。