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株式会社ウオロク様

新たな人事給与の基盤を整備し、攻めと守りの情報活用が可能に
人事評価のための分析基盤をグループ経営管理にて構築

株式会社ウオロク様

■事業内容 : 卸売/小売業

食品全般、日用雑貨、衣料品、医薬品、酒類、住関連品の販売

導入の背景

長年運用してきた人事給与システムを刷新

株式会社ウオロク 店舗

江戸時代から地元・新潟の魚を取り扱う鮮魚商として商いを開始し、1962年には食品や日用雑貨、衣料品、医薬品、酒類、住関連品の販売などを手掛けるスーパーマーケットとして新たに生まれ変わった株式会社ウオロク。発祥の地である新潟県新発田市から商売をスタートさせた同社は、現在は新潟県内に39店舗を展開するまでに事業を拡大させており、「お客様に叱られ、愛され、親しまれ」ながら、地元の顧客により豊かな食生活を提案し続けている。今でも鮮度に対するこだわりや味の追求、生活に合わせた食の提案を通じて、地域に住む多くの方の生活を支えることを使命に、店舗運営を行っている。

そんな同社では、以前から人事部主導で人事給与システムを運用してきたが、オフコンからのオープン化を図ってから8年あまりが経過し、新たな基盤への刷新が新たに計画されることになる。

導入前の課題

情報管理の徹底と積極的な情報活用の基盤づくりを目指す

株式会社ウオロクホールディングス 杉田 敏朗氏

基盤刷新を計画するきっかけとなったのが、いわゆるマイナンバー制度への対応だ。アルバイトも含めて多くのパートナー社員が店舗内で働いており、マイナンバーの収集から保管に至る情報管理を徹底して行う環境を整備する必要があったのだ。

そしてもう1つのきっかけが、これまで蓄積してきた人事評価などの各種情報を、各部門や店舗に開示するための仕組み作りだったと株式会社ウオロクホールディングス 人事部 部長 杉田 敏朗氏は当時を振り返る。「特定個人情報にあたるマイナンバーを安全に収集保管するという守りの情報管理と、蓄積した人事情報を店舗などに開示することで自身の等級やその評価状況を明確にし、モチベーションのアップにつなげるという攻めの情報活用という攻守の視点を軸に、人事部門としての基盤刷新を検討したのです」今回の刷新後に人事評価制度を大きく変更し、数値の評価を客観的な指標の1つに設定することが求められた。「頑張った人にきちんと報いていこうという評価制度に変えたのです。そのためには、売上など営業関連のデータを人事部側に持ってくる必要があった」と杉田氏。実際には、複数のデータを取りまとめていくための基盤が必要であり、そのための器となるシステムが必要不可欠だったのだ。

他にも、汎用機からのオープン化を図った以前のシステムを稼働させてからすでに8年あまりが経過しており、ハードウェアの入れ替え時期も迫っていた。そこで、マイナンバー対応やデータ活用の基盤づくりを実行に移すべく、新たな仕組みづくりに着手することになる。

システム選定と導入

人事評価に向けた分析基盤となるグループ経営管理

株式会社ウオロク 松木 祐輔氏

新たな仕組みを検討する過程で同社が注目したのが、スーパーストリームが提供するSuperStream-NX 人事管理システムや給与管理システムであり、経営分析ソリューションのグループ経営管理だった。特にマイナンバーの管理については、特定個人情報という機密性の高いものであり、法令に則った安全な運用管理が求められる。「各プロセスでチェックリストを用いての確認や、データの廃棄などにもしっかり対応できる点など、マイナンバーのライフサイクル管理が十分に実装されている印象でした。そのあたりの運用が明確でない製品もある中で、SuperStream-NXであれば安心して運用できると感じたのです」と杉田氏は評価する。

また特に大きいのは、新たな評価制度によって情報開示を進めるために必要な分析基盤となるグループ経営管理の存在だ。「これまでは必要に応じて各システムからデータを集め、Excel を用いて経営層などに提出してきましたが、グループ経営管理を使うことで売上データなどの新たな指標を人事情報と付け合わせることも容易です。しかもビジュアルに表示することができるため、作業工数を大幅に削減できるようになると期待しています」と人事部 人事課 課長 松木 祐輔氏は評価する。各部門で利用したい情報は、それぞれ個別に取得するのでなく、グループ経営管理から取得できるような形にしていくなど、情報開示のための器としてもグループ経営管理が役立つと松木氏は期待を寄せる。もちろん、店舗側に評価情報を伝えるためにも、現場が利用しているNavisia(ナヴィシア)労務管理システムのダッシュボードとの連携がスムーズに行えることも重要な選定のポイントだった。

その他に、パッケージメーカーとしての態度も評価した一つに挙げられるという。「当時はまだマイナンバー制度に関する知識が十分ではなく、いろいろな情報が錯綜して不安を感じていました。そんな中、スーパーストリーム社はマイナンバー制度自体についても他ベンダーに比べて丁寧に説明してくれました。製品のマイナンバー管理機能が充実していることと合わせて非常に良い印象を持ったこともSuperStream-NXを採用した理由の一つです」と杉田氏は語る。

同社が掲げたさまざまな要件に合致した結果、小売業に適した従来の運用が踏襲できるパッケージシステムとして、SuperStream-NXが同社の人事給与基盤に採用されることになる。

導入効果

人事給与基盤の再構築に成功、情報活用に向けた仕組みづくりへ

株式会社ウオロク システム構成図

現在は、同社及び事業持ち株会社である株式会社ウオロクホールディングスの2社における人事給与の基盤として、4000人以上いるパートナー社員含めた全職員の人事情報管理や給与管理にSuperStream-NXが利用されている。また、評価制度につなげるためのデータ分析基盤としてグループ経営管理が導入され、現状は営業数字の取りまとめを中心に活用、将来的には人事情報と売上情報を合わせて分析し、各部門に情報提供できるような基盤に作り上げていく構想だ。また、評価におけるセルフチェック機能や正社員の人事評価に関連したワークフローの仕組み、店舗ごとの人員配置表、そして勤怠管理のダッシュボードに評価結果を表示するといった機能が今回新たにアドオンで開発されている。実際の移行は4カ月程度の期間で行われており、移行そのものも順調に行われ、本稼働に至っている。

実際の運用については、住所変更や結婚などの人事情報は紙によって申請が行われ、その情報を随時SuperStream-NX 人事管理に反映している。給与については、正社員やパートナー社員は月1回の処理になるが、短期アルバイトについては月2回で対応するケースもあるという。「お盆や年末年始などには500名ものアルバイトを一気に採用することも。できるだけ早く給与を支払ってあげられるよう、月2回での対応を行っています。大量のアルバイトを採用する小売業ならではの運用ですが、SuperStream-NX 給与管理が柔軟に対応できるからこそ実現できています」と杉田氏は評価する。

また人事評価については、パートナー社員については各自の等級や時給が店舗側に公開され、その情報を元に店長がチェックシートに沿って評価していき、評価の結果をSuperStream-NXに吸い上げている。正社員については、新たに導入したワークフローを利用して評価チェックまでが行われ、その結果が人事部に送られてくる運用だ。特に正社員については、店舗ごとに人件費割合や売上貢献度などを新たな指標として追加し、基幹システムから必要なフォーマットでグループ経営管理が取り込み、分析、評価していく予定だ。なお、以前は各システムからそれぞれ個別に取得したデータが各所に点在していたが、今では各部門や店舗が利用する人事情報や評価データはすべてグループ経営管理にて一本化されており、情報のばらつきをなくすことができていると松木氏は評価する。

今回基盤を刷新したことで、Excel などによる資料作成の手間が軽減され、全体的には業務効率化につながっている。「効率化しているものの、事業拡大に伴って物理的な業務量は増えているのが現状です。それでも、人員を増やすことなく滞りなく作業できている点は高く評価できます」と杉田氏。使い勝手の面でも、人事情報から必要な項目を探すための汎用検索などは頻繁に利用しており、情報へのアクセスが容易になっていると松木氏の評価も高い。他にも、柔軟性の高い仕組みであるがゆえに便利に活用できると杉田氏は指摘する。「新たにホールディングスに転籍すると、転籍前の入社日など、これまで管理してきた社歴情報が上書きされてしまうことも。そこで、パスポート日付といった使っていない項目の名称を変更し、新たにグループ入社日といった項目を追加して管理しています。そんな社内の事情に合わせた柔軟な運用ができるのも、SuperStream-NXならでは」と杉田氏は評価する。

今後の展望

データ活用のためのテンプレートなど、さらなる基盤整備を加速

現状は、SuperStream-NX グループ経営管理にてデータ活用の環境を整備した段階にあり、これからさまざまな情報を加えていきながら、各部門で利用したいテンプレートを作りこんでいく計画だ。

「たとえデータが集まっても、部門ごとに利用したい情報は異なります。その情報が簡単に帳票化できるよう、システム部門を巻き込んでテンプレートを作成し、情報活用をより一層進めていきたい」と松木氏は語る。

また、店舗側に労務管理のダッシュボード画面から人事評価の情報開示が始まりつつあるが、これからも各部門の承認を得たうえで随時必要な情報を開示していく予定だ。「本人のモチベーションアップにつなげてもらうためにも、管理者だけでなく現場の社員がいつでも閲覧できる環境づくりをさらに進めていきたい」と杉田氏。他にも、社員研修の履修履歴なども管理していきながら、次のキャリアにつながる情報提供も人事部として積極的に行っていきたいと今後について杉田氏に語っていただいた。

お客様情報

会社名 株式会社ウオロク
本社 新潟県新潟市中央区鐙二丁目14 番13号
URL http://www.uoroku.co.jp/
従業員数 4,535 名(パートナー・アルバイト含む)
事業内容 食品全般、日用雑貨、衣料品、医薬品、酒類、住関連品の販売

本導入事例に記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。