日本の会計・人事を変える。”もっとやさしく””もっと便利に”企業のバックオフィスを最適化。

株式会社吉野家ホールディングス様

吉野家グループ21社1,000万件の会計システムをクラウドで統合
グループ経理のシナジーを発揮できる業務基盤にSuperStream-NXを採用

株式会社吉野家ホールディングス様

■事業内容 : 卸売/小売業

吉野家事業、はなまる事業、京樽事業、海外事業、その他

導入の背景

グループ経理を実現する本部業務改革プロジェクトが始動

グループ経理を実現する本部業務改革プロジェクトが始動

牛丼チェーンの吉野家をはじめ、セルフ式讃岐うどんチェーンのはなまるうどん、上方寿司の京樽などさまざまな外食チェーンをグローバルに展開している株式会社吉野家ホールディングス。「For the People すべては人々のために」を経営理念に据え、世界25エリア、グループ全体で3400を超える規模にまで店舗数を拡大させており、47社の企業を傘下に持つグループとして日本の飲食産業を強力にけん引。

現在は長期経営ビジョン「NEW BEGINNINGS2025」を推し進めており、既存の飲食業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を実現すべく、飲食業の再定義に積極的に取り組んでいる。

昨今の飲食業界では、既存店の売上を維持するだけでも厳しい状況が続いており、かつ人手不足が大きく影響して人件費は増加傾向にある。飲食グループを形成している同社でもその状況に変わりなく、厳しい状況のなかでさまざまな改革が進め られてきた。その1つが、2017年度末に動き出した本部業務改革プロジェクトだったと執行役員 グループ財務経理本部長 鵜澤 武雄氏は当時を振り返る。「お客様にご迷惑をおかけしないよう、店舗からは一番距離の離れた間接部門における業務を徹底的に効率化していくことが求められたのです」。その一環として検討されたのが、これまで利用してきた会計システムを刷新し、グループ全体で経理業務を効率化するための仕組みづくりだった。

導入前の課題

勘定科目の統一含めた業務の共通化を目指す

導入前の課題

実は、以前はホストコンピュータを中心としたシステムを吉野家単体で活用してきたが、2003年の段階で財務会計パッケージを新たに導入。そして2007年のホールディングス化に伴って、連結子会社13社に対して同様の財務会計パッケージを展開したことで、多くのグループ会社が共通の財務会計基盤を活用する環境が整備されていたという。ただし、基盤としての統合は進めてきたものの、勘定科目などは個社ごとに異なる運用だったことで、業務そのものの集約化や効率化は十分に追及できていなかった。「今回のプロジェクトでは、勘定科目はもちろん、経理の業務そのものを共通化していく、あるいは効率的な運用は全体でシェアすることで、グループ経理としてのシナジーが発揮できるような共通基盤の整備を目指したのです」と鵜澤氏は語る。

また、既存パッケージの機能はバージョンアップするたびに継続的に強化されていたものの、基本的な業務の進め方は当初設計したままとなっていた。そこで新たなプロジェクトでは業務そのものを見直すことで、これまで正しいと思われていたことを否定しながら、新たな価値感を醸成していくことが目標の1つになっていたという。「経理部門は企業では守りの役割を求められることが多く、結果として組織文化も保守的になり今の業務フローが正しいと信じています。それを疑うことで、今までの価値観ではなく新たな価値観を作り上げていくことが求められたのです」と鵜澤氏。特にいつもパソコンに向かって忙しそうにしている財務経理部門という印象を払拭したいと考えたという。

システム選定と導入

日本の商習慣に適しており、クラウド上でのパフォーマンスも十分な点を評価

システム選定と導入

新たな仕組みでは、グループ経理として運用が統合、共通化できることが絶対条件だ。そこで同社が注目したのが、スーパーストリームが提供するSuperStream-NXだった。「実は2003年来、長年SuperStream-COREを活用してきました。当時は多くの製品を検討したものの、日本の商習慣にあった機能が充実しており、国産製品としての魅力が備わっていたことで選択した経緯があります。このCOREシリーズをバージョンアップすべきか、新たな仕組みを投入するほうが効果的なのかも含めて検討を進めていったのです」と鵜澤氏。

実際に検討するなかでは、SuperStream-NX 自体が統合会計を意識したソリューションへと進化を遂げており、複数画面を立ち上げて各社同時に仕訳入力できるなど、マルチタスクで業務が遂行できることが可能な点を高く評価した。また、グループ全体で200万件を超える仕訳明細が毎月発生することになるだけに、どれだけ機能が充実していてもパフォーマンス的に課題になってしまうソリューションは数多く存在していた。「SuperStream-NXはCOREシリーズに比べてパフォーマンスが飛躍的に向上しており、4倍ほどの高速化を実現しています。レスポンス的にも十分我々の運用に耐えると考えたのです。Microsoft Accessで作成したアプリケーションよりSuperStream-NXの標準機能のほうが早いとシステム担当者も驚いたほど」と鵜澤氏。

さらに昨今では、ITの基盤をクラウド上に展開する動きが加速しており、以前は異なるシステムをAmazon Web Services(AWS)に移行した経緯もあった。オンプレミス環境で利用するよりも、クラウド上で運用できる点もポイントの1つだったという。「個社で利用することも含めると、クラウド上で利用できるものが理想的ですが、大量の件数を処理することを考えると不安がなかったわけではありません。それでも、実績含めてクラウド移行できると考えたのです」と鵜澤氏は評価する。クラウド移行にはSuperStreamパートナーであるインテック社の技術力が欠かせなかったという。他にも、システム連携ツールであるConnectを有している点も大きな評価の1つ。「Connectがあるおかげで、大きなカスタマイズなしに周辺システムと連携できるようになります」。結果として、SuperStream-NXがグループ経理を実現するための基盤として採用され、個社の勘定科目統合や管理会計のルールなどについて1年がかりでディスカッションしながら、グループ全体でのシナジーを発揮するための財務会計基盤が整備されることになる。

導入効果

20%の業務効率化に目途、グループ経理の強固な基盤を整備

現在はグループ全体の財務会計システムとしてSuperStream-NXを基盤に据え、グループでの経理業務の統合を実現しており、個社それぞれの経理担当で45名ほどが利用する基盤となっている。従来は個社ごとにカスタマイズして運用していた部分を標準化することで、グループ全体で勘定科目および運用の統一化を実現している。「飲食の場合、銀行口座に対する入金が日々発生することになりますが、店舗が多いグループ会社では以前から自動仕訳の機能をアドオンで作成していました。そういった便利な機能を個社にも反映させることで、グループ全体でのシナジーを発揮させることに成功しています」と鵜澤氏は評価する。

今回の本部業務改革プロジェクトでは、人件費や関連コスト、時間削減などあらゆることを加味したうえで、20%の効率化を目指している。「従来は経理部門が過剰サービスをしていた面があり、それらを精査したうえで絶対にやるべき業務に絞ることで、省力化につなげるといった活動も行っています。アウトソーシングしていた業務の内製化にも取り組むなどBPRにも取り組んだ結果、当初目標の20%は2019年度中には達成する見込みです」と鵜澤氏。共通化された業務を支援するSuperStream-NXが、その目標達成に向けて強力に下支えしていることになる。また、勘定科目が統一できたことで、経営層などが見る損益計算書などが共通のフォーマットで確認できるようになり、意思決定の迅速化にもつながっていると鵜澤氏は評価する。SuperStream-NXについては、以前のCOREシリーズに比べて洗練されており、グローバルスタンダードとして幅広く利用できるインターフェースになっていると評判は上々だ。「洗練された新しいインターフェースに代わっても、以前からある経理としての親しみやすさなどユーザビリティはしっかりと維持されています。例えばファンクションキーなどは我々世代にはなじみの深いものはしっかりと残されており、とても使いやすい」と評価する鵜澤氏。

また、複数画面が同時に展開できるため作業が進めやすいと担当者からも好評だという。「一人で複数のグループ企業を担当することも多く、会社ごとにログインし直す必要がありました。複数のパスワードを運用していると忘れてしまう恐れもありましたが、今はログインし直すこともなく複数画面を開いたまま作業できます。入力しやすくなり生産性向上に大きく貢献してます」と鵜澤氏。

今後の展望

外部システムとの連携を強化、AI-OCR やRPA への取り組みも加速

今後の展望

今後については、すでに導入しているConnectを活用し、外部サービスとの連携を進めていきながら、さらなる業務改善につなげていきたいという。「現状具体的に検討しているのは、現場で行っている立替払いなどで発生する小口精算の仕組みを省力化できる外部サービスとの連携です。この連携の裏側では紙の請求書や押印した申請書などがフローとして発生します。この部分を電子スタンプなどでペーパーレス化するなど、実際の精算業務そのものを省力化し、経理部分での仕訳業務も自動化していくことで、業務効率化につなげていきたい。この外部サービスを選択したのも、Connectで連携できるからこそ」と鵜澤氏。今後もユーザー部門が活用するフロントサービスは増えていくことが予想されるが、Connectと連携できるかどうかが1つの選択肢となってくるという。

また鵜澤氏が最も期待しているのが、AI-OCRやRPAといった新たな技術を取り入れた経理業務のさらなる進化だ。「人手不足が慢性的になっている今、専門性が高い業務ほどリスクになってきます。それらをRPAなどのロボット技術を用いて変化の激しい時代に対応できる環境を整えていきたい」と鵜澤氏。またどれだけ社内の紙を減らしても、取引先全てがペーパーレスになるわけではないため、AI-OCRのような技術で精度高く電子化でき、その情報をRPAでシステム投入して自動仕訳につなげるような仕組みを描いている。「日々新たな技術が生まれる中で、製品自体をも変化させて時代に対応していこうというスーパーストリーム社の姿勢には高い信頼感を抱いています。OCRやAI、RPAという新しい技術を組み合わせて、ぜひ新たな挑戦を続けてほしい」と最後に語っていただいた。

パートナー情報とコメント

(株)インテック

パートナー情報をみる

お客様情報

会社名 株式会社吉野家ホールディングス
本社 東京都中央区日本橋箱崎町36-2
URL https://www.yoshinoya-holdings.com/
従業員数 4,392名( 連結含む、2019年10月)
事業内容 吉野家事業、はなまる事業、京樽事業、海外事業、その他

本導入事例に記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。