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どのような経理業務に使えるのか(その1:入金消込業務)

 中田 清穂(なかた せいほ)

今回から数回にわたって、実際にRPAを導入して自動化した、具体的な業務を紹介します。
出典は、昨年株式会社矢野経済研究所が公表した『RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)市場の実態と展望 2018』です。
第1弾の今回は、国内の某通信事業会社が自動化した「入金消込業務」です。

この通信事業会社では、銀行の営業時間終了後に、銀行のオンラインシステムへアクセスし、入金される約9,000件の入金データを抽出していました。
入金があったその日のうちに、入金データを通信事業会社のシステムに登録するという、入金消込業務を10名体制で実施していたそうです。
平均すると、一人当たり900件の入金データを登録していたことになります。

さらに、月末の繁忙期には10名以上も増員して、通常の人員を合わせると、20名体制にしたいたそうです。
そして、一人当たり2.5時間の入力業務を行っていたということです。
「銀行の営業時間終了」は午後3時ですから、残業をしないように対応しようとすると、午後3時から6時までの3時間が “勝負” になりますね。
これでは、業務負荷も大きいし、処理ミスの発生件数も増加していきますから、量と品質の両面での業務課題を抱えていたことになります。

この入金消込作業をRPA化させることで、作業時間の9 割カットに成功したそうです。
毎日10名体制だった業務が、一人で済むようになったことになります。
月末の繁忙期でも、一人増やすだけで済むことになりますね。

この通信事業会社では現在、請求書再発行業務、インターネット情報の収集、Excel などの社内データから必要な情報を収集・加工する業務など、多様な業務でRPAを活用しているということが記載されています。
この記事でヒントになるのは、人間だと、就業時間以内に済ませる必要がある、つまり残業をしないようにする必要があるので、「3時間が勝負」ということになります。
しかし、RPAであれば、午後6時までに済ませる必要はありませんね。

それから、作業時間が9割カットできたということは、1割の作業がまだ存在しているということです。
この作業はおそらく、RPAが自動で行った作業の結果を確認したり、RPAが処理実行中に止まってしまった時の対応をしているのだと思われます。

最後に、この通信事業会社が作成した「入金消込業務」のRPAは、一つのロボでできるようにしているかもしれません。
しかし、最初から長いステップの作業を一つのロボで実行できるようにすることは難易度が高くなります。
そうなると、前回までに解説したように、RPAの導入を失敗しやすいので、以下の作業ごとに、一つ一つロボ化して、後からつなぐようにして作っていった方が良いと思います。

  1. 銀行のオンラインシステムへアクセスして入金データを抽出する
  2. 通信事業会社のシステムへアクセスして入金データを登録する
  3. 登録結果を検証する
  4. 登録結果と検証結果のファイルを添付して、社員(人間)にメールする
以上
経理・財務部門が抱える課題を解消し、現場から経営層までを強力サポートする方法とは?

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