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「M&A(Mergers&Acquisitions)におけるPMI(Post Merger Integration)について(後編)」

「M&A(Mergers&Acquisitions)におけるPMI(Post Merger Integration)について(後編)」

 株式会社アクリア

株式会社アクリア、コンサルタントの前野です。
前回と今回は、「M&AにおけるPMIについて」です。
前回は一般的なPMIに関する説明とPMIに関連するビジョン・戦略及び業務統合について説明しましたので、今回は、経営資源の統合と、M&AにおけるPMIについてのまとめを取り上げていきます。

●経営資源の分野(経営資源統合の視点)

経営資源統合に際しては、モノ(情報)の視点があります。

①人事制度の統合:最も困難といわれます。統合前の各社のしがらみを引きずらないような(従業員にそう感じさせないような)人事制度とするかがポイントとなります。

②ITインフラの統合:「新システムの導入」「グループ内で使用するシステムへ統合」「従来システムを存続しインターフェイスのみ開発」のいずれかが選択されることが多いでしょう。

③財務資源の統合:財務的シナジーは戦略に基づいて行動することで、大規模かつ確実に効果が期待できる分野です(取引金融期間との条件交渉、CMSの導入によるグループ全体としてのキャッシュポジションの最適化など)。

なお、②については、トップマネジメント主導で決定・構築すべきですが、トップマネジメントにITインフラの知識が不足している場合、時間的制約によってITインフラの構築にコミットできない場合等は、一般的に外部のコンサルタントが採用されます。この場合、特定のベンダーと組んでいるコンサルタントも少なくありません。

客観的な評価を行うことができるようコンサルタントの選択には注意が必要でしょう。

●まとめ

一説によれば、日本のM&A市場において、幅広い効果的なPMIが実施されているのは全案件の1割程度といわれるとともに、M&A時のPMIが不十分であったため、M&A案件の4分の3以上が期待通りの結果が得られなかったといわれています。
これは、日本のM&A市場において、形式的な合併、買収の手続きのみに終始し、買収後の幅広い効果的なPMIが実施されていないことに起因していると考えられます(買収後は買収を検討していた担当者とは異なる現場の担当者に一任というケースも少なくなく、現場の担当者は通常業務の運営対応や親会社への財務報告対応等に追われ、事前に計画したM&A後の統合効果の最大化は後回しにされてしまうというケースが多いようです)。
その結果、M&A後の企業や事業は本当の意味での統合されることもシナジーを生みだし好業績となることも少なく、結果として買収側の企業ではその事業を閉鎖、売却を検討するか、それとも、その事業に将来性を見いだせれば、BPR(Business Process Reengineering)の一環としてM&Aから数年後にPMIを進めることが検討されることもあります(所謂、再PMI)。
M&A時のPMIでも数年後のPMIでも、「M&Aの効果を最大限に発揮するために」は、統合後の詳細なイメージを予め関係者と共有し、統合後のシナジーを睨んだ継続的な準備しておくと共に、PMI(事前に計画したM&A後の統合効果の最大化を実現するためのアクション)を一気に推し進めていくことが肝要でしょう。

●おわりに

当社は公認会計士を中心とした専門家集団として、M&Aの支援としてDD、valuation、PMIを一気通貫で対応しております。そのため、DD、valuationによりM&Aの対象会社の業務を正確に理解するとともに、M&A後はビジョン・戦略を踏まえたPMIをサポートすることが可能となり、M&Aによるシナジーの最大化に寄与することができます。
また、会計、経理に関する最新のシステムについてキャッチアップをしているため、PMIに際して新システムの導入を検討する場合でも、最適なシステム及び運用方法をご提案することもできます。
PMIは通常業務を抱えて片手間で行える軽い業務ではありませんので、当社のような外部リソースの活用も選択肢に含めて頂けると良いと思います。
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