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連結決算の一連作業(その3)

連結決算の一連作業(その3)

 株式会社アクリア

株式会社アクリア、コンサルタントの成田です。

前回から引き続き「連結決算の一連作業」について取り上げていきます。
連結決算の一連作業は、大まかなステップとして、

 ① 事前準備
 ② 連結パッケージ入手時の作業
 ③ 連結仕訳の入力
 ④ 事後検証

があり、今回は④事後検証を説明します。

●事後検証

連結精算表を一通り作成した後、連結精算表に誤りがないかどうかを確認するため、事後検証を行います。事後検証は、様々な方法がありますが、例として以下の方法があります。
なお、以下の方法は、会計監査でも似たような手続きが行われているため、検証結果を監査法人に提供することで、監査工数の削減にも効果があると考えます。
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①推移分析

「連結決算の一連作業(その2)」でも連結パッケージに入力された財務数値の推移分析について記載しましたが、全体を俯瞰して眺めることで、入力漏れや入力誤りを防止出来ることがあるため、連結数値についても四半期毎(又は月次毎)に財務数値を並べ、推移分析を行います。なお、主な増減については、内容を把握し、コメントを残しておくとよろしいかと思います。

②赤残チェック
連結仕訳では、「科目の組替」や「相殺消去」が行われるため、この処理が誤っている場合、科目残高が赤残(マイナスの残高となっていること)になることがあります。本来であれば、連結財務諸表に赤残は発生しないため、赤残の有無をチェックし、該当があれば、赤残となっている要因を調査した上で、適切な修正を行います。
もう一歩進んだ分析手法として、内部取引消去等の連結仕訳を考慮した後の各社別財務諸表を作成し、各社単位でも赤残が発生していないかどうかの確認もできるとより精度の高いチェックが出来ると思います。

③のれん理論値分析

子会社の数が多くなると、投資と資本の相殺消去で発生した連結上ののれんが、どの会社に、どれだけ残っているのかわかりにくくなってきます。このため、のれん管理簿を事前に作成しておき、この管理簿上ののれん未償却額の合計が連結財務諸表に計上されたのれんと一致するかどうかの確認を行います。

④非支配株主持分理論値分析
連結特有の勘定科目として「非支配株主持分」という科目があります。非支配株主持分とは、連結子会社の資本のうち、親会社の持分に属しない部分を言います。非支配株主持分は、「連結子会社の期末資本合計×非支配株主の持分比率」で理論値計算が出来るため、この理論値と連結貸借対照表に計上されている金額とが概ね一致しているかどうかの確認を行います。

●まとめ

今回連載させていただいた「連結決算の一連作業」については、
・新規に子会社を設立したり、他の会社を買収したりして、初めて連結決算を行う会社の経理担当の方
・単体決算は何年も携わっていたが、ジョブローテーション等で初めて連結決算を担当することになった経理担当の方
を対象に記載させていただきましたが、現在連結決算を担当されている経理担当者の方にも有用になればと思い、記載しております。
これは、実際の実務では、連結決算担当者は「③連結仕訳の入力」のみを実施し、「①事前準備」「②連結パッケージ入手時の作業」「④事後検証」が疎かになっているケースが少なくなく、この場合、
・一発で正確な決算数値が作れず、何度も連結財務諸表の手直しが必要になる。
・手直し作業増えることで、経理リソースが不足する。
・手直しの都度、監査手続が必要なため、監査コストが増加する。
などの課題が発生しているものと考えられるからです。

しかしながら、3回にわたり紹介させていただいた「連結決算の一連作業」を実践していただければ、これらの課題は、完全には解消されなくとも、ほとんど問題にならなくなると確信しています。
仕組みを変える時はより多くのパワーが必要なため、一時的に大変になると思いますが、是非実践していただけますと幸甚です。

連結決算の一連作業(その1)でも記載させていただいたとおり、実務においては「決算時に起こるであろう事象を見据えた準備及びその情報共有」「次回決算に向けた過去の振り返りと次回に向けた改善案の整理・合意・実行」といった専門的内容における親子会社間のコミュニケーションやルールの合意・実行が連結決算をスムーズに進めるために重要となります。 

専門家を利用するメリットとしては、準備段階で用意すべき内容を多くの事例から蓄積していること、各種システムの機能について熟知していること、外部専門家からの意見を通じて社内のコンセンサスが取りやすいことがあります。アクリアでは、多数の連結支援実績があり各社様の組織文化や各種システムに応じて最適なソリューションをクライアントと協議しながら実務運用に結び付けていくことが可能です。
改善案はあるものの社内合意を取り実行するマンパワーが足りないケースが多いかと思いますが、課題を整理して見える化し、社内での協議を経てコンセンサスを得たうえで実際に手を動かしつつ実行面を適正規模でサポートできる点も特徴です。

本コラムで記載したノウハウを実行頂ければ、社内で改善が進み、正確性はもとより決算早期化にも繋がります。
また専門家の利用により、効果的かつ即効性のある改善に取り組むこともできますので自社の業務課題に当てはめてご検討頂けますと幸いです。

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