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6種類の勤怠管理方法のメリット・デメリットを比較解説

6種類の勤怠管理方法のメリット・デメリットを比較解説

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「働き方改革」の中で、労働時間や休日など勤怠管理に関する様々な改革が施行されてきています。
テレワークの進展に伴う労働時間管理の難しさと重要性も増す一方です。
育児休業に関しても2022年10月には「産後パパ育休」「育休分割取得」等も施行されます。
2023年4月には月60時間超の残業割増賃金率が中小企業についても50%に引き上げられます。
もはや勤怠管理を手作業で進めることは難しいと言えるでしょう。
ではどのような勤怠管理システムを導入すればよいのでしょうか。この記事の中で確認して参りましょう。

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■勤怠管理とは

「勤怠」という言葉は、出勤や欠勤などの社員の出勤状態を表すものです。
社員がどの程度、労働や残業、休憩、休暇を取っているのかを把握することを「勤怠管理」と呼びます。
具体的には、労働時間、休憩、休日、および年次有給休暇の管理を指します。
始業・終業時刻、休憩、時間外労働、深夜業等の労働時間管理、休日、有給休暇などの管理をまとめた概念です。

それらのデータに基づいて、休暇取得状況や就労時間・残業時間などの集計を自動的に行うのが「勤怠管理システム」です。
勤怠管理は、適切な賃金の支払い、社員の健康管理(過重労働などの未然防止)に必須となります。
さらには労働生産性向上にも欠かせないものです。
労働生産性は労働時間等のインプットに対する付加価値などのアウトプットを指すものであり、インプットの正確な把握が必要なことは言うまでもありません。

■労働基準法と勤怠管理の関係

労働基準法では、「第4章労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」において、勤怠管理のルールを定め、これが使用者の義務であることを明確にしています。
また「働き方改革」の中で、罰則つき時間外労働上限規制、 労働時間の状況の把握義務(管理監督者等も対象)、年次有給休暇の確実付与義務等、勤怠管理に関連する様々な改革が施行されてきています。
テレワークの進展に伴う労働時間管理の難しさと重要性も増す一方です。

2023年4月には月60時間超の残業割増賃金率が中小企業についても50%に引き上げられます。
この対応にも注意が必要です。

■勤怠管理システムとは

勤怠管理システムは、社員の出退勤の記録、シフト作成、休暇申請などを総合的に管理するシステムです。
後述するクラウド型オンプレミス型(サーバ型)をはじめ、アプリ型タイムカードICカード生体認証など、複数のタイプが存在します。
最近はクラウド型の勤怠管理システムが主流になっており、大企業での導入も進んでいます。

一口に勤怠管理システムと言っても、タイプによって機能や使い勝手が異なり、導入費用、運営費用なども大きく違ってきます。企業規模が大きくなるほど、システムの選定は慎重に進めなければなりません。

勤怠管理システムを比較する際に注意したいのは、「自社にマッチしているか」という点です。
一概に多機能であれば良いというわけでないので、自社の環境に適したシステムであるか、必要な機能が揃っているかで選ぶようにしましょう。

・オンプレミス型とクラウド型の違い

「オンプレミス型(サーバ型)」は社内ネットワークを利用し、自社内で運用するシステムです。
すなわち、自社業務に合わせた専用システムを開発運用するものです。従来の勤怠管理システムと言えば、オンプレミス型が通常でした。

これに対して「クラウド型」はベンダーが提供する社外システムをインターネット経由で利用するものです。
最近ではこちらの方が主流でしょう。メリット・デメリットについては、後述します。

■6種類の勤怠管理方法のメリット・デメリットを比較

・クラウド型の勤怠管理システム

クラウド型はインターネットを活用して社外のシステムを利用するもので、開発・運用も社外の専門家が対応してくれます。
サーバーを自社で導入する必要もなく、インターネット接続ができる環境ならどこからでもシステムを利用できます。
サーバーの構築が不要なため、導入のハードルが低い点も特徴です。

インターネット接続のためセキュリティ対策等に不安を感じる方も多いかもしれません。
しかし、クラウド化が主流になってきている今、大手の有力なシステムをはじめ、多くの勤怠管理システムがセキュリティ対策を取っているため、基本的にトップレベルの安全性が確保されていると言えるでしょう。
災害時などの迅速な復旧といった問題も考えれば、総合的なセキュリティ対策としてはクラウド型の方が優れているとも言えます。

クラウド型は、システム側で法改正にも迅速に対応してくれる点もメリットです。
法改正に対応しているかはシステムによりますが、システム側で最新の労働基準法や働き方改革関連法に合わせてアップデートされるのは非常に助かります。

ただし、クラウド型は多くの会社で汎用的に用いられることを前提としたシステムです。
自社で特殊な勤務形態等があるとか、自社の給与システム・会計システムなど他のシステムとの連動が必要な場合などは、そのニーズに応えられるかどうかを見極める必要があります。

もっとも、最近のクラウド型勤怠管理システムは、広範なユーザーのニーズに応えられるように様々な機能を提供しています。
費用も比較的安いことが多いので、まずはクラウド型で自社のニーズに対応できるかどうか検討することをお勧めします。

・オンプレミス型の勤怠管理システム

オンプレミス型は自社のニーズに応じたオーダーメイドのシステムです。
自社のネットワーク内で利用するため、社内ネットワークが整備されている中規模から大規模の企業に適しています。

また、自社のニーズに合わせたシステムカスタマイズが容易に行えるため、
自社で機能をカスタマイズしたいとか、自社の他のソフトウェアとの連携などにも適しています。
自社内で完結するシステムなのでセキュリティ上の問題が少ない、とも言えます。

とはいえ、テレワーク・リモートワークの普及で、オンプレミスと言いながら実際にはインターネット接続が必要になる場面も多く見受けられます。
純粋に「自社内完結の閉じたシステム」と言えるかどうかはいささか疑問に思われます。

そもそも、自社で開発運用できる要員や費用を確保できるかどうか、慎重な検討が必要です。
最近のように頻繁な法改正にタイムリーに対応していくのは容易なことではないでしょう。

総じて言えば、規模が大きい会社などでこれから様々な発展が予想されたり、特殊な勤務形態などがあったり、
といった事情でクラウド型では対応できない場合の選択肢、と考えておいた方が良いと思われます。

・勤怠管理アプリ

勤怠管理アプリは、スマホやタブレット端末を利用して、打刻や勤務記録の集計などを行うものです。一般的にはiOS(iPhone・iPad)、Android 向けの専用アプリを指します。

アプリ型もインターネットを利用して社外のシステムを利用するもので、クラウド型勤怠管理システムの一種と言えます。
手元のモバイル機器などで簡便に用いることができ、営業などで外回りが多い人や、テレワーク・リモートワークなどにはうってつけのシステムとも言えるでしょう。

ただし、モバイル端末での利用を前提としているため、機能面の制約があり得ます。
自社のニーズに十分応えられるかどうか、見極める必要があります。

・タイムカード

昔からの伝統的な勤怠管理システムで、導入も容易で費用も安い場合が多いです。
しかし、例えば、働き方改革の時間外上限規制等の複雑な制度に対応するためには、出退勤時刻を管理するだけでは到底間に合いません。

一例を言えば、罰則つきの時間外上限規制です。毎月の残業時間の原則は月45時間です。
これは休日労働を含みません。一方で、臨時的特別の場合の上限規制は単月100時間未満、複数月(2~6ヶ月)平均80時間以内ですが、これは休日労働も含めて計算します。
間違った対応をすれば罰則もありえます。それを一人一人の社員について確実に把握する必要があります。的確な勤怠管理システムを活用しない限り、とても管理できないでしょう

・ICカード・生体認証

ICカードや生体認証は、タイムカード同様に始業終業時刻等のインプットの手段です。
ICカード対応はカードリーダーに出退勤を記録するタイプで、交通系ICカード
を使って打刻できる機器もあります。導入は比較的に容易である点がメリットですが、社員がICカードを忘れたり紛失をしたりした場合に打刻ができないため、別途対策が必要となります。

生体認証タイプは指紋認証、指静脈認証、手のひら静脈認証、顔認証、虹彩認証などがあります。
生体認証は本人以外の打刻がほぼ不可能ですので、不正打刻を防げるのがメリットです。
ただし、生体認証は前述の時間外上限規制等を自動計算するシステムではないため、タイムカード同様の問題があります。

・Excelで管理

エクセル管理とは要するに手作業管理です。導入コストは安価ですが、管理が煩雑になります。
集計の不確実性のみならず、入力そのものが果たして正確なのか、間違いやごまかしがないのか、という問題もつきまといます。

■勤怠管理システムを比較する時のポイント

以上でお分かりいただけるように「タイムカード」「ICカード・生体認証」「Excelで管理」は、
最近の法改正に伴う複雑な勤怠管理のシステムとしてはふさわしくないでしょう。
結局は「クラウド型(その一つとしての勤怠管理アプリも含む)」を取るか、「オンプレミス型」を取るか、という選択の問題になるかと思います。

この比較の要点をまとめると次の通りです。
一般の企業ならばまずクラウド型を第一の選択肢とお考えになるべきかと思います。

  クラウド型 オンプレミス型
導入・運営費用 〇比較的安い ×相当の費用がかかる
初期費用はオンプレミスと比べるとかなり抑えられる。企業規模が大きくなるほどその恩恵も大きい。 高額な初期費用がかかる。企業規模が大きくなるほどコスト負担が課題となる。
導入に要する期間 〇短時間 ×長期間
自社でサーバー等の環境を用意する必要がなく、システム構築も不要なので導入のハードルが低い。 自社でサーバー等の環境の用意やシステム構築が必要となり、導入までに数ヶ月かかる。
法改正への対応 〇自社対応不要 ×自社対応が必要
一般に無償アップデートされるため、法改正へのコストや工数の負担がかからない。 時間・費用がかかる。自社でシステム要件を迅速確実に固める必要がある。
導入前の試用 ◯試用を経て運用開始 ×試用なしで運用開始
試用期間を利用して自社にマッチする運用を試すことができる。自社に必要な機能、最適なプラン、導入後の課題等を事前に洗い出せる。 基本的に試用ができないため、試用なしで運用開始するリスクが伴う。企業規模が大きくなるほど導入に失敗した時に被る損失が大きくなる。
導入後の変更 ◯プラン変更等が可 △仕様変更や乗り換えが困難
事業拡大による従業員増加に伴うユーザー数の追加、プランの変更等が容易にできる。また、自社に合わなかった場合のサービス自体の乗り換えも比較的しやすい(データ移行や導入サポート等を要確認) 必要な機能を備えておらず業務負担軽減につながらなかった、使いづらく従業員に不評だったという場合でも、簡単にシステムの改修や乗り換えができない。企業規模が大きくなるほどそのリスクが大きくなる。
導入後のサポート・メンテナンス 〇自社対応不要 ×自社対応が必要。
サービスによって範囲が異なるが、基本的に導入後も運用やトラブル対応のサポートを受けられる。サービス側に運用定着のサポートやサーバーのメンテナンスの代行をしてもらうことで、サポートや保守に割く人員やコストを削減できる。 保守契約を結んでシステムサポートを受けられる場合もあるが、クラウド型の方が法改正への対応も含めサポートの範囲が広い。また、サービスの終了したシステムを使い続ける場合は脆弱性への対応等、メンテナンスや保守の問題が発生する。
自社に適したカスタマイズ性 △柔軟な対応は困難 〇柔軟に対応可能
ただし、最近のシステムは、メニューが豊富、相当のカスタマイズ性を有している。 ただし、自社の要員・費用などが必要なときに導入できるかなどが制約条件になりうる。
セキュリティ対策 △インターネット接続による外部からの攻撃などへの対策が必要。 〇社内の独立システムで安全性は高い。
とはいえベンダーからのサポートにより、相当程度カバーできる。 ただし、テレワークなどで外部接続が必要であり、社内独立システムと言い切れないことがある。
災害などの際の復旧は、クラウド型の方が確実と考えられる。 また、自社システムに問題が起こったときの復旧に課題が生じうる。
ふさわしい会社のニーズ 自社サーバー、システム構築運営体制が整っていない。 自社サーバー、システム構築運営体制が整っており、自社固有のニーズに柔軟に対応したい。
低廉な費用で一般的な勤怠管理システムを整えたい。 自社の人事管理情報を外部に持ち出したくない。
法改正などに迅速確実に対応したい。  

■おわりに

上記のクラウド型、オンプレミス型の勤怠管理システムの比較は、あくまで一般的なものです。
実際のシステム導入にあたっては、それぞれのシステムの特徴や機能をよく把握し、自社のニーズに合致しているかどうかを見極める必要があります。

一例としてスーパーストリーム社の「SuperStream-NXの勤怠管理システム」をご紹介します。
本システムは企業全体にわたる生産性の向上を実現するクラウド勤怠ソリューションで、打刻管理、勤怠管理だけでなく、プロジェクトの工数管理機能も備えています。
全機能がモバイル対応しているので、場所や時間を選ばず作業可能です。

導入は簡単で、Excelベースの「かんたん設定シート」にマスタデータを設定することで最低限の導入支援で本稼働できる他、ご要望に応じたさまざまな導入方法に対応しています。
スムーズに新勤怠管理システムに移行するために、自社で今使っている勤怠管理方法から移行が可能か、またどのように移行するかについても確認しておかれると良いでしょう。

このように、それぞれのシステムについて特徴をよく見極め、自社にふさわしいシステムを選択されることをおすすめします。

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■監修者コメント

働き方改革が検討されていく中で、とりわけ罰則つき時間外労働上限規制については、
「国家として、死ぬような働き方は許さない。」という厳しい姿勢が貫かれてきています。
過重労働、メンタルヘルス、過労自殺といった重大な問題が生じてきているからです。

それどころか、長時間労働や有休のとりにくさが、我国の少子高齢化の原因ではないのか、我国は子供を産み育てることができにくい国になっているのではないか、という厳しい指摘すらもなされてきています。

本稿で取り上げたのは勤怠管理システムの問題ですが、システムの導入は、これらの問題への対応の第一歩にすぎません。
「国の規制が厳しくなったからやむなく勤怠管理をしっかりする」といった姿勢にとどまっているようでは、企業としての社会への責任を果たすことはできません。
大切な人財を本当に有効に活用し、働きがいも人としての生活も充実させることが求められています。勤怠管理システム導入にあたってその本来の目的を今一度、考えていただくようお願いいたします。

【監修者プロフィール】

社会保険労務士 健康経営エキスパートアドバイザー
玉上 信明

三井住友信託銀行にて年金信託・法務・コンプライアンスなどを担当。
2015年10月65歳定年退職後、社会保険労務士開業。執筆・セミナーを中心に活動。
人事労務問題を中心に、企業法務全般や時事問題にも取り組んでいます。

 
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