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9月の人事労務お役立ち情報|『厚生年金保険の標準報酬月額の上限改定について』

9月の人事労務お役立ち情報|『厚生年金保険の標準報酬月額の上限改定について』

 アクタス社会保険労務士法人

今月のお仕事一覧


『9月のお仕事カレンダー』

スケジュール

【9月10日】 ・8月入社の雇用保険資格取得届の提出
 (ハローワーク)

・8月分源泉所得税・住民税の納付
 (郵便局または銀行)
【9月30日】 ・8月分社会保険料の納付
 (郵便局または銀行)

法改正・労務トピック解説

『厚生年金保険の標準報酬月額の上限改定について』

社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)は、給与額に基づき
決定される標準報酬月額に応じた額を従業員と事業主が双方で負担しています。

現在、その標準報酬月額は、健康保険と介護保険が1等級~50等級、
厚生年金保険が1等級~31等級となっています。

1.改定内容

令和2年9月1日より、厚生年金保険の現在の標準報酬月額の最高等級
(第31級・620千円) の上に、新たな等級(650千円)が追加され、
上限が引き上げられます。具体的には以下のとおりとなります。

<改定前>
月額等級(旧)31等級
標準報酬月額620千円(報酬月額605,000円以上)

<改定後>
月額等級(新)31等級
標準報酬月額620千円(報酬月額605,000円以上、635,000円未満)

月額等級 32等級 標準報酬月額650千円(報酬月額635,000円以上)

2.改定通知書の送付時期

改定後の新等級に該当する被保険者の方がいる対象の事業主に対して、
令和2年9月下旬以降に日本年金機構より「標準報酬改定通知書」が送付されます。

3.届出の要否

今回の標準報酬月額の改定に際し、事業主からの届出は不要です。

新等級に該当する場合、令和2年9月分より厚生年金保険料が変更となります。
算定基礎届による通知書とは別に上記改定通知書が届く可能性がありますので、
確認を忘れないようにしましょう。

<参考>日本年金機構

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202007/072002.html

今月の人事労務相談室

『離職票の発行が遅延した場合、退職者がもらえる失業給付に影響ありませんか?』

【相談内容】

退職勧奨により退職する従業員がいます。
失業給付は離職票がないと従業員本人が受給の手続きができないため、
離職票の交付が遅れた場合、その分もらえる給付が少なくなってしまわないのでしょうか?

【社労士のアドバイス】

離職票の提出がすぐにできない場合、受給資格の仮決定を行います。

 基本手当(いわゆる失業給付)の受給には、離職後に離職者が直接ハローワークへ
 「求職の申込み」を行うと同時に離職票を提出し、ハローワークから受給資格の決定を
 受けることが必要です。

 しかし、基本手当の支給を受けるために初めてハローワークに来所した者が、
 やむを得ない理由(例えば離職票の交付遅延)により求職の申込みの際に離職票を
 提出できない場合には、ハローワークはその者の申出等により受給資格の有無を判断し、
 一応受給資格があるものと認定できるときは、仮に受給資格の決定を行います。

 この場合、後日離職票の提出がなされ、正規に受給資格を決定するまでの期間中は
 基本手当の支給はされませんが、受給資格の決定があったときは、その効力は
 仮決定の日に遡及されます。(厚生労働省 雇用保険に関する業務取扱要領より)
 会社都合での退職者に対して、その事情にもよりますが一定の配慮が望ましいでしょう。
 基本手当の受給資格決定は、最終的にハローワークにて行われますが、退職者の不安軽減
 として押さえておくとよいでしょう。

人事が企業成長を支える時代、戦略人事を実現するために必要な土台の作り方

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