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10月の人事労務お役立ち情報|『失業等給付の受給資格を得るために必要な「被保険者期間」の算入方法が改正されています』

10月の人事労務お役立ち情報|『失業等給付の受給資格を得るために必要な「被保険者期間」の算入方法が改正されています』

 アクタス社会保険労務士法人

今月のお仕事一覧


『10月のお仕事カレンダー』

スケジュール

【10月12日】 ・9月入社の雇用保険資格取得届の提出
 (ハローワーク)

・9月分源泉所得税・住民税の納付
 (郵便局または銀行)
【11月2日】 ・9月分社会保険料の納付
 (郵便局または銀行)

法改正・労務トピック解説

『失業等給付の受給資格を得るために必要な「被保険者期間」の算入方法が改正されています』

雇用保険の失業等給付を受けるためには、原則として離職した日以前の2年間に、被保険者期間」が通算して12ヵ月以上あることが必要です。

この「被保険者期間」の算入方法が、離職日が
令和2年8月1日以降の方について、以下のように改正されました。

<改正前>

離職日から1ヵ月ごとに区切った期間において
賃金支払いの基礎となる日数が11日以上ある月を1ヵ月として計算

<改正後>

離職日から1ヵ月ごと区切った期間において、
賃金支払いの基礎となる日数が11日以上ある月、または、
賃金支払いの基礎となった労働時間数が80時間以上ある月を1ヵ月として計算

これにより、改正後は、賃金支払の基礎となる日数が11日に満たない月でも、「賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月」に該当すれば「被保険者期間」に算入されます。

失業等給付は、離職された方が、失業中の生活を心配することなく新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくための重要なものであり、被保険者期間の算定の誤りにより離職者に対し不利益等が生じますとトラブルにつながりかねません。

「被保険者期間」の算入には漏れがないよう注意が必要です。

(参考)大阪労働局資料
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-hellowork/content/contents/000675318.pdf

今月の人事労務相談室

『私生活上の非行について会社は懲戒処分ができるのでしょうか?』

【相談内容】

従業員の私生活上の問題行為に対して懲戒処分を検討しています。
そもそも、会社は懲戒処分ができるのでしょうか?

【社労士のアドバイス】

会社の懲戒権は、労働契約上の労働者が負う企業秩序遵守義務の違反行為に対するものです。したがって、就業時間外の私生活上の行為については企業秩序に関係しないため、原則として懲戒処分の対象にはなりません。
 
しかし、例外として、私生活上の行為により業務運営に支障がでたり、会社の社会的評価に及ぼす影響が重大であると客観的に評価される場合は、懲戒処分の対象になりうるとされ、懲戒処分を検討するにあたり事案ごとに個別に諸事情を考慮する必要があります。

日本鋼管事件(最二小判昭49.3.15)では、
「営利を目的とする会社がその名誉、信用その他相当の社会的評価を維持することは、会社の存立ないし事業の運営にとって不可欠であるから、会社の社会的評価に重大な悪影響を与えるような従業員の行為については、それが職務遂行と直接関係のない私生活上で行われたものであっても、これに対して会社の規制を及ぼしうることは当然認められなければならない。」としたうえで、「従業員の不名誉な行為が会社の体面を著しく汚したというためには、必ずしも具体的な業務阻害の結果や取引上の不利益の発生を必要とするものではないが、当該行為の性質、情状のほか、会社の事業の種類・態様・規模、会社の経済界に占める地位、経営方針及びその従業員の会社における地位・職種等諸般の事情から総合的に判断して、右行為により会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合でなければならない。」と示されています。
 
私生活上の行為に対する懲戒処分は、判断が難しく、認められないケースが多いため、専門家への相談をおすすめします。

人事が企業成長を支える時代、戦略人事を実現するために必要な土台の作り方

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