人事労務お役立ち情報 2021.03.09 (UPDATE:2021.03.08)
アクタス社会保険労務士法人
時間外労働・休日労働に関する協定届の様式変更
法定時間外労働や法定休日労働が発生する事業場におきましては、事前に時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)を労使間で締結し、その内容を36協定届へ記入したうえで、労働基準監督署へ届け出る必要があります。
2021年4月より、その36協定届の様式が変更になります。
主な変更点は下記のとおりです。
労働基準監督署へ届け出る「36協定届」への押印・署名が不要になります。(記名は必要です)
ただし、届の前提となる「36協定書」は、別途労使で合意したうえで労使双方の合意がなされたことが明らかとなるような方法(記名押印又は署名など)により締結し、保管しておく必要があります。
また、36協定届が36協定書を兼ねる場合も、記名押印又は署名の省略は不可となります。
36協定の適正な締結に向けて、労働者代表に関するチェックボックスが新設されます。具体的には、下記の点を確認するためのチェックボックスです。
・管理監督者でないこと
・36協定を締結する者を選出することを明らかにしたうえで、投票、挙手等の方法で選出すること
・使用者の意向に基づいて選出された者でないこと
各社テレワークが進む中、通常より署名や押印に時間を要しているところかと思いますが、早めに届出準備を済ませ、協定の有効期間前までに届出を行うようにしましょう。
また、電子申請も可能ですので、必要に応じてご活用ください。
厚生労働省 2021年4月~ 36協定届が新しくなります
https://www.mhlw.go.jp/content/000708408.pdf
会社に申請された通勤経路とは異なる経路上で負った怪我は通勤災害の対象になりますか?
会社に申請している通勤経路とは異なる経路を使用している労働者が通勤途中で転倒し、怪我をしました。これは通勤災害にあたりますか?
労災保険法における「通勤災害」とは、労働者が通勤に起因して被った災害(負傷、疾病、障害又は死亡)をいいます。
また、「通勤」とは、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法で行うことをいいます。
(1)住居と就業の場所との間の往復
(2)就業の場所から他の就業の場所への移動
(3)住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動
「合理的な経路及び方法」とは、就業に関する移動の場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び方法をいいます。
通勤にあたり、通勤ルートが複数あるケースがありますが、会社に届け出ている経路以外の経路を使用していても、その経路が合理的と認められるものであれば、通勤災害が適用されます。
例えば、会社へは通勤費が最も安いA経路で届け出ているが、B経路の方が所要時間が短いためB経路を使用している、等のケースが考えられます。
また、公共交通機関、自動車、自転車、徒歩等通常用いられる交通方法が一般に合理的な方法といえます。
例えば、徒歩と届け出ていた区間をバスに乗り、バス内で怪我をしたケースであっても、通勤災害が適用されると考えられます。
ただし、最終的に合理的か否かの判断につきましては行政が行いますのでご留意いただければと思います。
アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。 アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング、アクタスITソリューションズと連携し、 中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム導入支援の各サービスを提供しています。
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