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10月の人事労務お役立ち情報|『就業規則を作成する際の注意点』

10月の人事労務お役立ち情報|『就業規則を作成する際の注意点』

 アクタス社会保険労務士法人

■人事労務のお役立ち情報

保険者から被保険者へ健康保険証の直接送付が可能になります。

2021年10月以降、健康保険証を保険者から被保険者へ直接送付することが可能となります。
現在は、健康保険証について「被保険者証の交付をするときは、事業主に送付しなければならない」と健康保険法施行規則に定められていますが、コロナ禍における在宅勤務が進む中、人事担当者が保険証を従業員に渡すためだけに出社する必要があり、制度の見直しが求められていました。

そこで今回の制度変更では、以下のような変更が加えられました。
「保険者は、前項の規定により被保険者に被保険者証を交付しようとするときは、これを事業主に送付しなければならない。
ただし、保険者が支障がないと認めるときは、これを被保険者に送付することができる。」

この「保険者が支障がないと認めるとき」とは、どのような状況を想定しているのか、厚生労働省は以下の通り回答しています。

「事務負担や費用、住所地情報の把握等を踏まえた円滑な直接交付事務の実現可能性や、関係者(保険者・事業主・被保険者)間での調整状況等を踏まえ、保険者が支障がないと認める状況を想定している。」

(厚生労働省「健康保険法施行規則及び船員保険法施行規則の一部を改正する省令の施行に関する留意事項等について」)
 https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210816S0030.pdf

 このように制度を活用する際には、関係者の実情に応じた具体的運用方法(費用の負担や送付方法等)が求められることとなり、細部の事務的事項が詰まり次第、順次案内がなされるものと思われます。 
 
なお、事業所整理記号及び被保険者整理番号は引き続き事業主に通知され、事業主は通知された事業所整理記号及び被保険者整理番号を適切に管理することが必要となります。また、保険証の返納についても、これまで通り事業主を経由して保険者に返納しなければならないこととなっています。

働き方が変わる中で、社会保険等の事務的な取り扱いも電子化の進展など大きな変化が予想されます。
情報のキャッチアップと社内の管理体制の見直しが求められます。

■今月の人事労務相談室

就業規則を作成する際の注意点

【相談内容】

会社の就業規則を見直そうと考えています。
就業規則を作成する際の注意点があれば教えてください。

【社労士のアドバイス】

まず、就業規則を作成する際には、記載事項に注意する必要があります。
記載事項は大きく2つに分けられ、全ての会社が共通して記載しなければならない「絶対的記載事項」と、
事業場で定めをする場合、つまり制度として実施する場合には記載しなければならない「相対的記載事項」があります。
 
 これら2つは「必要記載事項」と呼ばれ、「必要記載事項」以外の記載事項は、
 記載するか否かは自由であり「任意記載事項」と呼ばれます。
 なお、「必要記載事項」の詳細は以下の通りとなっています。
 
 「絶対的記載事項」
 1. 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
 2. 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
 3. 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

「相対的記載事項」
 1. 退職手当に関する事項
 2. 臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
 3. 食費、作業用品などの負担に関する事項
 4. 安全衛生に関する事項
 5. 職業訓練に関する事項
 6. 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
 7. 表彰、制裁に関する事項
 8. その他全労働者に適用される事項

 就業規則が完成したら次にこれを労働基準監督署へ届け出る必要があります。
 届出の際に必要な書類は以下の3つです。

 1. 就業規則(変更)届
 2. 意見書
 3.(変更後の)就業規則本体

 なお、2の意見書とは労働者側の意見を記載するもので、特に反対意見等がない場合は、「異議なし」等と記載します。
 
 さらに、届け出た就業規則を従業員に周知する義務も発生します。
 具体的な周知方法は以下の方法によることとされています。
 
 1. 常時各作業場の見やすい場所に掲示する、または備え付ける。
 2. 書面で労働者に交付する。
 3. 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、
   各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を
設置する。

 ここまでが就業規則の作成・変更の一連の流れとなります。

就業規則はいざという時に会社や従業員を守ってくれるルールとなります。
「木を見て森を見ず」ではないですが、必要記載事項が不備であるケースも目立ちます。
コロナ禍において働き方が大きく変わりつつある今、就業規則を見直す良い機会かもしれません。

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