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影響度調査後のプロジェクト体制

 中田 清穂(なかた せいほ)

今回は、「影響度調査」終了後のプロジェクト体制についてお話したいと思います。

影響度調査までは、1名から数名が、通常の経理・決算業務を兼務しながら、会計基準の相違点を把握し、会計方針の採用について選択肢を整理し、影響を受ける業務とシステムを識別するというタスクをこなすことが多いようです。

ここまでは、一つのチームでこなせるのですが、この後、整理された会計方針の選択肢のうち、どの方針を採用するか、業務やシステムをどのように変更するかについて、検討し、決定しなければならない状況で、一つのチームでは、なかなかタスクをこなすことができなくなります。

また、監査法人主導で進められるプロジェクトでは、以下の問題が発生しやすいようです。

(1)IFRSのすべての基準について網羅的に論点をつぶすため、メリハリがない。
当社にはあまり関係ないと思われる論点についても、一通り丁寧に検討して全部を整理するため時間がかかる。

(2)アドバイザリー・サービスとして参画しているが、基本的に会計監査人の意識が強い。
したがって、業務への影響やシステムへの影響、さらには来期以降必要となる予算の獲得についてあまり関心がないため、影響度調査後のスケジュール感にずれが生じやすい。
監査法人にはスケジュール的な切迫感があまりないようです。

結局、影響度調査で識別された論点の中でも、特に会計方針策定に関する論点を中心に進めることになります。そして、IFRS適用初年度までに完成させればよいという意識が強いため、暫定会計方針の「案」を作っては見直すことを繰り返していくイメージになりがちです。

しかし、企業サイドとしては、IFRSの影響を受ける業務を変えたり、システムについても変更する必要がでてくるので、あまり時間をかけてはいられないという意識が働くのです。

ここに両者の間にスケジュール感のスレが生じるのです。

したがって、暫定会計方針の「案」を作っては見直すことを行いながら、それとは別に、自社において特に影響がありそうな業務やシステムごとに検討チームを組織することが有効だと思います。
この検討チームは「分科会」とか「個別調査チーム」などと呼ばれています。

どのような論点について検討チームが編成されるかは、各論点が企業に与えている影響によって異なるのですが、通常以下の論点についてはチーム編成がおこなわれるようです。

  1. 収益(売上高計上プロセス)
  2. 有形固定資産
  3. リース
  4. 製品原価計算

これらの論点は、業務の変更やシステムの変更が必要な場合、非常に多くの時間を必要とするので、個別にチームを編成し、経理部門だけではなく、現場部門や経営層を含めて検討し、決定をしなければならないものばかりなのです。

したがって、影響度調査終了後は、プロジェクト体制を変えて、また、監査法人のスピード感とも異なる進め方をしていくことが必要になるでしょう。

以上

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