日本の会計・人事を変える。”もっとやさしく””もっと便利に”企業のバックオフィスを最適化。

第29回 「消費税改正への対応を進めるには・・・」|税務会計業務のポイント

第29回 「消費税改正への対応を進めるには・・・」|税務会計業務のポイント

 アクタス税理士法人

8月のコラム(「消費税95%ルールの見直しは要注意!」)のとおり、来年4月1日以後開始する課税期間から仕入消費税の95%ルールが見直しされます。

課税売上割合が95%以上で、かつ、その課税期間の課税売上高が5億円を超える場合には、仕入控除税額の計算は個別対応方式か一括比例配分方式で行うことになるのです。

改正後の仕入税額控除について

改正後の適用にあたって、検討すべき事項についてまとめてみましょう。

検討内容

1. 仕入税額の計算方法を個別対応方式で行うか、一括比例配分方式で行うか
個別対応方式の場合、仕訳段階で仕入の消費税を「課のみ」、「非のみ」「共通」に区分しなければならない

2. 個別対応方式を選定する場合、「課のみ」、「非のみ」「共通」をどのように区分するか
「売上原価」や「製造原価」に含まれる費用は「課のみ」又は「非のみ」に該当するものといえる。
( 売上原価や製造原価に含まれる費用は,その商品・製品の売上げを実現させるためや製造するために直接的に必要となった費用と考えられるため)

「販売費及び一般管理費」についても、その費用の区分が特定できるものは、「課のみ」又は「非のみ」に該当することになる。特定できないものについては、「共通」に区分することになる。
区分の基準を会社の「部門」で考えてみる。

Ex.営業部門は、商品を売る部門。したがって、発生する費用の課税区分は「課のみ」。一方、管理部門については、明確な対応関係が確認できない。そのため発生する費用の課税区分は「共通」とする。など

3. 「共通」対応の課税仕入れについて、より合理的な基準により「課のみ」「非のみ」に区分できないか
「共通」対応のものについても、より合理的な基準で区分できる場合は、区分を検討する。
Ex.電力費など水道光熱費関係の費目についてメーターや回線などで部門ごとに区分できる場合は、その区分した部門ごとに「課のみ」「非のみ」を検討する。

改正前の今期が課税売上高95%以上であり、会計システムを採用している場合、練習のためにもいまから区分して経理入力を始めるのがいいでしょう。

なぜならば、今期の計算においては全額控除できるため、区分していることは関係ないからです。

(アクタス税理士法人)

関連記事