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第38回 「消費税改正に向けて企業が対処すべき課題とは?」|税務会計業務のポイント

第38回 「消費税改正に向けて企業が対処すべき課題とは?」|税務会計業務のポイント

 アクタス税理士法人

消費税増税が成立

先月8月10日に「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」(いわゆる「消費税増税法案」)が成立し、同22日に公布されました。
施行は、消費税の税率が8%になる平成26年(2014年)4月1日です。いまから、約1年半後に消費税は8%に。そしてその1年半後に10%と短い期間に税率は2倍に上がっていくことになります。

消費税増税に備え企業が検討すべき課題

消費税増税が経営に与える影響は大きいです。そこで、企業が検討すべき課題をまとめてみると次のようになっていきます。

  • 消費税増税分の価格転嫁の課題
  □ 長期デフレ経済下における価格転嫁の困難さ
□ 短い期間における2段階の税率UPをすべて価格に転嫁できるか
□ 増税分を価格転嫁できなければ売上単価の値下げになる
□ 転嫁できない実質値下げは、売上数量の増加やコスト削減でカバー
  する必要あり
□ 値ごろ感のある価格設定(2,980円など)を維持できるか

  • 駆け込み需要対策
  □ 駆け込み需要予測と売上計画の策定
□ 品不足による機会損失、事前の調達準備の徹底
□ 増税前、増税後の販売戦略
□ プロモーション方法の検討(消費税還元セールなど)
□ 税率引上げ後の需要の落ち込みとそれによる滞留在庫リスク

  • 資金繰り対策
  □ 消費税の申告納税額が2倍になるため資金繰りがより重要に
□ 売掛金回収、得意先の与信管理もより厳しく

  • 社内対策
  □ 適正な税率による経理処理
□ 会計システムの対応(5%、8%、10%の混在する期間)
□ 社員研修対策の実施

特に価格転嫁の課題は、企業の売上に大きな影響を与えます。価格の検討については、早め早めの対策を練るのが賢明といえそうです。

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