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第42回「復興特別税 会社の法人税申告における税額控除で注意すべき点」|税務会計業務のポイント

第42回「復興特別税 会社の法人税申告における税額控除で注意すべき点」|税務会計業務のポイント

 アクタス税理士法人

法人税申告における復興特別所得税の税額控除

会社が2013年(平成25年)1月1日以後に支払を受ける預金利息や配当等については、所得税のほかに復興特別所得税が源泉徴収されることになります。
この源泉徴収された所得税と復興特別所得税は、法人税と復興特別法人税の前払いとなり、法人税の確定申告において税額控除の対象になります。

税額控除の際、ポイントとなるのは、源泉徴収された復興特別所得税は、復興特別法人税から税額控除され、法人税からは控除することはできない点となります。

税額控除

  • 法人税額から控除されるのは、源泉徴収された「所得税の額」
  • 復興特別法人税額から控除されるのは、源泉徴収された
    復興「復興特別所得税の額」

※ 復興特別法人税について、課税標準となる法人税額がない場合には、「復興特別法人税申告書」の提出をする必要がないとされています。しかし、復興特別所得税の還付を受けるためには、申告書の提出が必要となります。
実務においては、「復興特別法人税申告書」の提出が省略されることは、税額控除を受けられない不利につながることになるので、提出されていくものと思われます。

税額控除を計算しやすくするための経理処理

所得税と復興特別所得税は、法人税の確定申告書において別々で税額控除されるため、別記して処理しておく必要があります。原則は、支払を受けるごとに所得税と復興特別所得税を区分して処理を行うことです。簡便的には、源泉徴収された合算の税額を期末に一括して区分する方法もあります。
簡便的な方法による場合、税額控除の計算に一部制限がかかるため、経理処理としては、ほんの少しの手間で済む原則法で行っておくのがお勧めです。

例)預金利息 1,000の処理

1,000の預金利息の手取りはつぎのようになります。
★図


[仕訳] 普通預金          797 / 受取利息 1,000
     法人税等(所得税)      150 /
     法人税等(復興所得税)       3 /
     法人税等(地方税)       50 /


収入 1,000  
△所得税 △ 150 1,000×15%
△復興所得税 △ 3 150×2.1%(円未満切捨)
△地方税 △ 50 1,000×5%
手取額 797  

※ 利息計算書が発行されない預金利息については、割り返して収入額を求めることになります。
割り返す率は、0.79685

(100%-15%(所得税)-(15%×2.1%)(復興所得税)-5%(地方税))
と複雑になりますので、ご注意下さい。

(検算):797(手取額) ÷ 0.79685= 1,000

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