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外国法人・非居住者に対する支払と源泉徴収義務

 アクタスマネジメントサービス㈱/アクタス税理士法人

グローバル化の進展により海外の会社が所有するソフトウェアを利用し、そのロイヤリティを支払うケースや、海外の経営コンサルタントが来日し、コンサルティング報酬を支払うケースなどが多く発生しています。
このような海外との取引についての支払では源泉徴収義務が生ずる場合があります。今回は、外国法人・非居住者に対する支払と源泉徴収義務の取扱いについてまとめてみました。

国際間の課税関係を考えるにあたって

国際取引により発生する課税関係を考えるにあたっては、まずは支払側の国内法における取扱いを確認することが必要です。
すなわち、日本の会社が支払側である場合には、最初に日本の所得税法を確認することになります。
国内法の確認後、次に、取引先の所在する国と締結されている租税条約の確認を行い、最終的な課税関係を決定することになります。
国内法と租税条約の両方で課税関係が確認される場合、租税条約の規定が優先されることになります。

例えば、日本(支払側)とアメリカ(受取側)との間で取引を行った場合には、

  • 日本の所得税法の確認
  • アメリカとの租税条約(日米租税条約)の確認
の順で確認を行います。

国内法での取扱い

外国法人や非居住者へ支払が発生する取引において、日本の所得税法に基づき、源泉徴収が必要になることがあります
外国法人や非居住者に対する日本の所得税の課税対象及び源泉税率は、所得税基本通達164-1に以下のように要約されています。

非居住者に対する課税関係の概要

これらのうち、実務的によく目にすると思われる取引についてご紹介します。

使用料等

国内において業務を行う者が、工業所有権、著作権等の使用料又は取得の対価を外国法人や非居住者に対して支払う際には、その国内業務に係るものは、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。

人的役務の提供に対する報酬等

外国法人や非居住者に支払う人的役務の提供に対する報酬等のうち、国内において行った人的役務の提供に対するものは、その支払いの際に、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。
この人的役務の提供の範囲には、映画俳優や弁護士等のほか、科学技術・経営管理等の専門的知識等を有する者が提供するものも含まれてくることになりますので、広い範囲の取引が源泉徴収の対象となってきます。

租税条約での取扱い

支払先の外国法人や非居住者の居住地国と日本との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより、課税が免除又は軽減、若しくは源泉徴収自体が不要となる場合があります。
相手国との間に租税条約が締結されていることが確認できれば、支払日の前日までに租税条約の届出書等を税務署へ提出することにより、課税が免除又は軽減され、その特典を受けることができます。

源泉徴収の際に間違いやすい注意点

債権債務の相殺取引

源泉徴収は、支払者における費用計上のときに行われるのではなく、支払時に行われます。
外国法人・非居住者と日本の法人との間に債権債務の関係があり、送金に替えて、その債権債務を相殺することによって支払に替える場合があります。この場合、相殺でも支払があったものとして源泉徴収が必要となってくるので、注意が必要です。

復興特別所得税の取扱い

租税条約において日本の所得税法に定める源泉税率以下の税率が定められている(免税を含みます)場合には、復興特別所得税を併せて源泉徴収する必要はありません。

<租税条約に定める税率が日本の所得税率より低い場合>

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