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第70回 「マイナンバーで変わる経理と対応費用の取扱いについて」|税務会計業務のポイント

第70回 「マイナンバーで変わる経理と対応費用の取扱いについて」|税務会計業務のポイント

 アクタス税理士法人

マイナンバーで変わる経理

「マイナンバー導入で経理業務は、どのように変化するでしょう?」

導入されていない現段階においては、イメージしにくいところですが、すこし考えてみたいと思います。

仕訳などの経理入力については、さほど変化は訪れないかもしれません。
また、BtoB取引が中心の会社においては、請求書の支払などについても変更点は少なく、マイナンバーが影響することは大きくなさそうだと考えられます。

しかし、BtoC取引が中心で、その支払いが源泉徴収の対象になる場合などは、経理においてもマイナンバーの取得、管理、廃棄などに気をつける必要が出てきそうです。

ただ、いったん番号を取得し、導入時期の慌しさが落ち着きシステム等で管理される段階に入ってくると個人名と番号がひも付き登録されて出力されてくるので、経理そのものには影響が少ないかもしれません。
一方、システム等を採用していない会社の場合、番号を一回一回、人と結びつけないといけないから大変になるかもしれません。

経理に限らないことかもしれませんが、最も気を付けないといけないのは、本人確認もしっかりしたが、最後の最後で「12ケタの番号の入力ミス」を起こしてしまうことではないでしょうか。

番号の入力は、12ケタもありますので、どこか途中で例えば、4869を4689などと入力ミスすることなどが発生しそうです。番号の入力の際は、担当者だけで完結させるのでなく、上司のチェックもいれて誤入力・誤記入を防ぐことが大切になりそうです。

マイナンバー対応費用の詳細

マイナンバー制度に対応するため、システムの構築を検討する会社も多くあると思われます。
システム対応への支出は、税務上どのように取扱うのか関心が高いところになります。その支出は費用(修繕費)でいいのか、それとも固定資産に計上しなければならないのか検討が必要になっていきます。

税務上、システムプログラムの修正費用は,その修正がソフトウェアの機能上の障害の除去,現状の効用の維持等に該当するときは「修繕費」に,新たな機能の追加,機能の向上等に該当するときは新たなソフトウェアの取得と認められ「資本的支出」に該当します。

通常、法律等改正によるプログラムの修正は,ソフトウェアの効用を維持するために行われるものとされ、修繕費でよいとされます。
たとえば、消費税率の引き上げに対応する税率対応や、減価償却の償却率改正による更新は、修繕費とされていました。

今回のマイナンバー対応を考えると、具体的には、給与計算ソフトの年末調整の項目にマイナンバーの個人番号が付けるためのプログラム更新の支出などが想定され、これは、修繕費に該当することになりそうです。

また一方で、今回のマイナンバー対応は、会社全体に関わってくるためマイナンバーを保管するためやマイナンバーの漏えいを防止するため、サーバーを新たに購入するなども想定されます。
このような場合、新たなサーバーの取得は、器具備品の取得になり、セキュリティを強化するため情報の暗号化ソフトを入れたなどは、新たなソフトウェアの取得と考えられ、固定資産への計上が必要になってきます。

マイナンバー対応支出については、連携するシステム会社から詳細な作業内容を記載された請求書などを受領し、税務処理を行うことをお勧めします。
「マイナンバー対応システム一式」の請求書だと全額が固定資産に計上にすべきことにもなるかもしれないので注意してください。

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