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法人税に関する2020年税制改正のポイント

 アクタスマネジメントサービス㈱/アクタス税理士法人

令和元年12月に公表された令和2年度税制改正大綱は、令和の時代になって初めての税制改正でした。その内容は、少子高齢化が進む中、人生100年時代に対応すると同時に、イノベーションの促進など中長期的に成長の底上げを支えることを志向しています。法人に関する内容としては、「電子帳簿保存法のさらなる見直し」「連結納税制度の見直し」「5G投資促進税制」などがあります。

電子帳簿保存に係る所要の整備

令和元年度の改正に続き、令和2年度も電子帳簿保存法の緩和が行われます。今回の改正内容は、経済社会のデジタル化に伴い、クラウドを活用したサービスではキャッシュレス決済が普及している状況を踏まえ、電子受領した領収書等についての整備が図られました。事務負担軽減に直結する内容であり、この2年間の改正内容で電子保存の利便性がより高まることになりそうです。

令和2年度の要件緩和

電子帳簿保存法に基づき、電子取引を行った場合の取引情報については、電磁的記録を保存することが義務付けられています。その方法は、電子受領した請求書等に受領者側にてタイムスタンプを付与する方法又は改ざん防止等のための事務処理規定を作成して運用する方法が定められていました。今回の改正は、さらなる要件緩和を目的として2つの方法が追加されました。

電子取引を行った場合の、新たに認められる保存方法

  1. 発行者のタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合において、その電磁的記録を保存する方法
  2. 電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステム(クラウド等のシステムが該当)を含む。)において、その電磁的記録の授受及び保存を行う方法

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(出典:経済産業省「令和2年度 経済産業関係 税制改正について」)

適用期日等

令和2年10月1日から施行

連結納税制度を見直し、「グループ通算制度」への移行

事務負担の軽減等の観点から、連結納税制度が見直されます。グループ内において損益通算を可能とする基本的な枠組みを維持しながら、親会社、完全子会社の「それぞれが申告・納税」を行う「グループ通算制度」へ移行します。

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(出典:経済産業省「令和2年度 経済産業関係 税制改正について」)

見直しの主な内容

項目 連結納税制度 グループ通算制度
適用法人及び適用方法 親法人と、それが直接間接に100%の株式を保有するすべての子法人(外国法人を除く)。
制度の適用は、選択制。ただしいったん選択した場合は、継続適用。
「親法人及び各子法人が法人税の申告を行う点」並びに「青色申告の承認を前提とする点」を除き、基本的に連結納税制度と同様
申告法人 親法人が法人税の申告を行う(連結申告)。
子法人は個別帰属額等を記載した書類を提出する。

親法人及び各子法人が法人税の申告を行う(個別申告)。
連帯納付責任 子法人には、連結所得に対する法人税について、連帯納付責任がある。 親法人及び各子法人には、通算グループ内の他の法人の法人税について、に、連帯納付責任がある。
提出方法 e-Tax、書面提出いずれも可。 e-Taxにより申告書を提出しなければならない。
事業年度 親法人の事業年度に合わせたみなし事業年度とする。 連結納税と同様に、親法人の事業年度に合わせたみなし事業年度とする。

グループ通算制度の選択のポイント

  1. 加入時の見直しの緩和
    グループ加入時に課せられていた時価評価課税や繰越欠損金の切り捨ての対象を縮小する見直しが行われるので、この改正と個別申告になるという特性とで制度の活用がいままで以上に検討されそうです。
  2. グループ経営の多様性
    今回のグループ通算制度では、組織再編税制と整合性のとれた制度となる予定ですので、グループ経営における会社体系をどのようにするかの選択肢の幅が広がるものと考えられます。

適用期日等

令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用

5G投資促進税制の創設

青色申告法人で全国5G事業者(ドコモ、au、ソフトバンクなど)又はローカル5G事業者であり法人が特定高度情報通信用認定等設備の取得等をして、国内にある事業の用に供した場合その他の場合には、その取得価額の30%の特別償却と15%の税額控除との選択適用ができるようになります。


(出典:経済産業省「令和2年度 経済産業関係 税制改正について」)

ローカル5Gとは
ローカル5Gは、地域・企業が主体となって、自らの建物内や敷地内といった特定のエリアで、自営の5Gネットワークを構築・運用・利用することができます。
ローカル5G事業者になるには国で指定された無線局免許の取得等が必要となります。

適用期日等
特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律(仮称)施行日から令和4年3月31日までに該当資産を取得・事業供用した場合に適用

その他

1.オープンイノベーション促進税制の創設
国内の事業会社やCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)から、創業10年未満・未上場のベンチャー企業に対する1億円以上(中小企業の場合は1,000万円以上)の出資について、25%の所得控除が講じられます。



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