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第146回 電子帳簿保存法の改正 #2スキャナ保存

第146回 電子帳簿保存法の改正 #2スキャナ保存

 アクタス税理士法人

電子帳簿保存法は令和3年度の税制改正により、要件が大きく緩和されました。
前回の8月号では「電子取引」について解説しましたが、今回は「スキャナ保存」の改正について実務的なポイントをご紹介します。

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■スキャナ保存制度とは

スキャナ保存制度は、相手先から受領した領収書などの取引関係書類等について、次の「真実性の確保」と「可視性の確保」の要件を満たして書類をスキャナ保存した場合に、そのスキャンしたデータの保存により、受領した書類(原本)を廃棄することが認められる制度です。
この制度の対象となる書類は、帳簿や棚卸表、貸借対照表、損益計算書などの決算関係書類を除き、原則的に全ての書類が対象となります。なお、「重要書類」と「一般書類」とでは、満たす要件の範囲が異なります。
重要書類】 資金や物の流れに直結・連動する書類 ・・・・契約書、領収書、請求書、納品書等
一般書類】 資金や物の流れに直結・連動しない書類・・・見積書、注文書、検収書等
    スキャナ保存に係る要件 重要書類 一般書類
真実性の確保 入力期間の制限 適時入力
電子計算機処理システム 一定水準以上の解像度(200dpi以上)による読み取り
カラー画像による読み取り(赤・緑・青それぞれ256階調(1677万色)以上) 白黒階調
タイムスタンプの付与 〇※1 〇※3
解像度及び階調情報の保存
大きさ情報の保存 〇※2 不要
ヴァージョン管理(訂正又は削除の事実及び内容の確認等)
入力者等情報の確認
可視性の確保 スキャン文書と帳簿との相互関連性の保持
見読可能装置(14インチ以上のカラーディスプレイ、4ポイント文字の認識等)の備付け 白黒対応
整然・明瞭出力
電子計算機処理システムの開発関係書類等の備付け
検索機能の確保

※1 入力期間内に、入力したことを確認することができる場合には、その確認をもってタイムスタンプの付与に代えることができる。
※2 受領者等が読み取る場合、A4以下の書類の大きさに関する情報は保存不要。
※3 国税関係書類に係る記録事項を入力したことを確認することができる場合には、タイムスタンプの付与に代えることができる。

■スキャナ保存制度の令和3年度の主な改正点

入力期間制限の緩和や適正事務処理要件の廃止など今回の改正により要件緩和がすすみ、スキャナ保存制度の導入が従前に比べ容易となりました。

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1.事前承認制度の廃止                                        
税務署への事前承認が不要となりました。

2.受領者が自分でスキャンする場合の領収書の自署不要                                       
これまでは領収書等の受領者が自らスキャンする場合、その領収書などに受領者が自署をすることが求められていましたが、この自署が不要とされました。

3.タイムスタンプの要件緩和                   
タイムスタンプの付与期間が、最長で2か月と概ね7営業日以内とすることができるようになりました。
また、電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるクラウドシステム等を使用する場合は、タイムスタンプの付与が不要となります。

4.適正事務処理要件の廃止                                       
改ざん等の不正防止のための、相互けん制、定期的な検査、再発防止策など社内規定整備に関する要件が廃止となりました。この改正により、他の要件を満たせばスキャン後すぐに原本廃棄が可能となります。

5.重加算税の加重(厳罰化)                                       
要件緩和の一方で、仮装・隠蔽による修正申告等があった場合は、重加算税が10%加重されます。

■Q&A

Q1.スキャナとはどのようなものでしょうか?従業員の私物のスマートフォンでも差し支えないでしょうか?

A1. 「スキャナ」とは、書面(紙)の国税関係書類を電磁的記録に変換する入力装置をいい、いわゆる「スキャナ」や「複合機」として販売されている機器が該当します。スマートフォンやデジタルカメラ等も、上記の入力装置に該当すれば「スキャナ」に含まれます。私物か否かについて、法令上の制限はありません。

Q2.受領者以外の者がスマートフォン等を使用して読み取りを行うことは可能でしょうか?

A2.受領者以外の者であっても、スマートフォン等によるスキャナ読み取りを行うことは可能です。

Q3.スキャナで読み取りを行った後は、国税関係書類の紙を即時に破棄しても問題はないでしょうか?

A3.令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類については、電磁的記録の記録事項と書面の記載事項とを比較し、最低限の同等確認(折れ曲がり等がないかも含む)を行った後であれば、即時に破棄して差し支えありません。ただし、下記の場合には、電磁的記録と合わせて紙による保存が必要です。
・入力期間を経過した場合(下記Q4参照)
・備え付けられているプリンタの最大出力より大きい書類を読み取った場合(下記Q5参照)

Q4.領収書等の入力期間を誤って経過してしまった場合の取扱いはどのようになるのでしょうか?

A4.入力期間を経過した国税関係書類についても、その他の保存要件に沿って入力するとともに、当該書類を紙のまま保存する必要があります。

Q5.スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、どうしたらよいでしょうか?

A5.ディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式かつ原稿と同程度に明瞭な状態で、速やかに出力することができれば、左面と右面に分けるなど複数回に分けてスキャナで読み取ることでも差し支えありません。また、備え付けられているプリンタの最大出力サイズより大きい書類を受領し、スキャナ保存を行う場合は、スキャン文書と元の書類の両方の保存が必要となります。

Q6.スキャナで読み取った画像データをテキスト化できませんでした。どうしたらよいでしょうか?

A6.スキャナで読み取った画像データをテキスト化できない場合には、検索の条件として設定することができるようにするために、
①取引年月日その他の日付、
②取引金額、
③取引先を手入力する必要

があります。

Q7.電子帳簿保存法の要件を満たすソフトウェアかどうかを調べる方法はありますか?

A7.まずは使用されているソフトウェアの取扱説明書等で電子帳簿保存法の要件を満たしているかご確認ください。また、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下「JIIMA」)が認証しているものも電子帳簿保存法の要件を満たすソフトウェアに該当します。JIIMAから認証を受けた製品一覧は、JIIMAホームページ(https://www.jiima.or.jp/activity/certification/denchouhou/)に掲載されています。JIIMAから認証を受けたことを示す認証ロゴによって確認することもできます。


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