日本の会計・人事を変える。”もっとやさしく””もっと便利に”企業のバックオフィスを最適化。

一般財団法人住友病院様

医療機関に発生しがちな頻繁な組織変更の履歴管理を実現
データ活用が円滑に行える人事給与ソリューション

一般財団法人住友病院様

■事業内容 : その他

32の診療科を持つ総合病院

導入の背景

保守切れを迎えた人事給与パッケージ

導入の背景

住友グループの社会貢献活動の一環として1921年に開設された大阪住友病院が母体となり、2000年に新病院として生まれ変わった一般財団法人住友病院。「急性期病院として救急の患者さまや地域の医療機関からの紹介患者さまを積極的に受け入れながら、高度で良質な医療が提供できるよう、スタッフと設備を充実させています」と事務次長兼人事室長の穐宗一郎氏は病院の特徴を語る。大阪の北区や西区、福島区を中心に地域医療の中核的な病院として機能しており、診療科目は30を超え、病床数は499を数える総合病院として多くの患者から信頼を集めている。

そんな同病院では、以前から人事給与システムのパッケージを運用してきたが、長年利用してきたことで保守切れを迎えることに。そこで、新たな環境への移行を検討するプロジェクトをスタートさせた。

導入前の課題

個別の運用から脱却し、シームレスな連携が可能なインフラを目指す

一般財団法人住友病院 穐宗 一郎氏

これまで使ってきた人事給与システムは、新病院に変わった2000年以前から活用してきたもので、給与計算は一時期外部委託していた時代もあったものの、長年にわたって活用し続けてきた経緯がある。また、給与計算のために必要な勤怠情報は、特定のパッケージを使わず内製にて作られた勤怠管理の仕組みにて収集していたと人事室主任 中井 千恵氏は当時のシステムについて語る。その理由について中井氏は「賞与を例に見ても、たとえ同じ職種でもイレギュラーな処理が多く、何か月分が賞与として支払われるのか人によってまちまち。人に依存して契約内容が異なるため、どうしても一般的なパッケージで計算することが難しい状況だったのです」と説明する。さらに、人事給与システムと本来連動する会計システムは、それぞれ個別のパッケージで運用されており、人事給与と会計、そして勤怠管理はそれぞれ異なる仕組みで運用されていたという。

そんな状況の中で、新たなシステムに刷新する必要性に迫られることになる。システム室室長 山福善次氏は「人事給与パッケージの保守が切れることがわかりました。そうであれば、これまで個別に運用してきた環境から脱却し、会計システムや勤怠管理システムとシームレスに連携できるようなインフラに刷新すべきだと考えたのです」と刷新検討時の理想を説明する。

システム選定と導入

現場のノウハウを生かしながら、組織変更履歴の管理も可能に

一般財団法人住友病院 山福 善次氏

そこで人事給与システムの選定に取り掛かった。
「会計との連携は重要ですので、既存の会計製品のシリーズ製品にするか、それとも別の人事給与システムのパッケージ製品にするかを検討しました」と語るのは、人事室主任山本真由美氏だ。機能面では、人事考課も含めて管理でき、勤怠管理から給与計算までつなげて自動化できるシステムを念頭に置いていたという。また、手作業で作成してきたデータ集計(統計)や各種帳票をシステム内で容易に作成できるよう、統計機能やあらかじめ豊富な帳票テンプレートが用意されている製品を希望したという。

いくつかの製品を検討する過程で目に留まったのが、以前導入していた人事給与システムを構築支援したベンダが提案したパッケージであるSuperStream-NXだった。パッケージそのものは変わってしまっても、基本の機能が優れ、サポートするベンダが同じであれば計算体系や管理すべき人事情報など、現場で培われたノウハウがそのまま継承できると中井氏は考えた。「従来の運用を理解してれば、こちらからも要望が出しやすい。これまでの経験が生かせるぶん、ゼロスタートではないと、また、病院特有の複雑な給与計算式についても標準の機能で登録することができ、修正が容易であることも評価しました」。会計とは異なる製品だが、データ入出力機能が備わっていたため、周辺システムとの柔軟なデータ連携も可能だと判断したという。 結果として、同病院に勤務する医師や職員全員の人事情報を管理する基盤として、SuperStream-NXが採用されることになる。

導入効果

データの活用が業務効率化にも大きく貢献

一般財団法人住友病院 中井 千恵氏

現在は、SuperStream-NXの人事給与ソリューションを活用し、3名の職員で人事管理と給与管理業務を運用している。勤怠管理システムや会計システムとの連携部分はアドオン開発が行われ、必要なシステム連携が行われている。

新たな環境に移行したことで、以前に比べてデータ活用の幅が広がったと山本氏は評価する。「例えば保健所に提出する施設基準名簿など、必要な書類を作成する際にとても便利です。汎用検索機能を使うことで、必要な項目を抜き出した形で名簿が簡単に呼び出せるようになりました」以前は毎回Excel加工せざるを得なかったものが、今はボタン一つで呼び出し帳票作成が可能になり、半日程度必要だった作業がボタンを選ぶだけで行えるようになった。また、データの出力だけでなく、出力したデータを修正して再度取り込むことで、情報のメンテナンスも簡単に行えるようになったと山本氏は力説する。

医療機関ならではという観点で見ると、頻繁に発生する組織変更に対応できる点だろう。施設基準の見直しに合わせて、組織名称や組織体系、人員の変更などが頻繁に行われるが、以前は最新の組織情報しかシステム上で管理できず、紙による管理を余儀なくされていた。SuperStream-NXであれば、過去の履歴がすべて管理でき、必要に応じて情報がすぐに確認できるようになったことも効果は大きい。給与計算についても、前月との差分だけをExcelにリストアップして出力させることが可能となっており、利便性は大きく向上している。「以前はすべてのデータを出力して全員をチェックしていましたが、今はボタン一つで差分が抽出できます。月次の給与計算業務を行う人数が減っているにも関わらず、月に4日程度は短縮することができました」と中井氏は高く評価する。また、昇格昇給に伴って人件費がどう変わるのかをシミュレーションする人件費変動のシミュレーション機能については、今後活用し昇進昇格の分析作業の効率を目指す予定だという。

なお、今回システムの提案から保守までを手掛けているキヤノンITソリューションズ株式会社については、以前のシステムの仕様と業務をを熟知している技術者がいたことで、短期間のプロジェクトであっても無事に本稼働を迎えることができた。「私自身がITに詳しくないため、うまく言葉にするのが難しい部分も。人事や給与など業務に精通している方にサポートいただき、大変感謝しています」また、サポートデスクの対応も迅速で、現場の困りごとに親身に対応いただけていると中井氏は評価する。

今後の展望

いずれは統合されたインフラへ

一般財団法人住友病院 山本 真由美氏

今後については、まだ使いこなしていない機能もたくさんあるため、それらを学びながらより活用していきたいと山本氏。人事については汎用的な項目をさらに増やしていくことで、例えば組織横断的に行われている委員会関係の情報やワクチン接種履歴など、人事として必要な情報を拡充していきたい考えだ。

他にも、産休欄を活用して休職簿作成や社会保険の停止といったデータ連動を行うなど、SuperStream-NX活用の幅をさらに広げていきたいという。「導入当初は従来の運用に乗せるのに必死でしたが、落ち着いた今であれば、人事でも給与でもシステム化できることがまだあるはず。そのために運用をどう変更するべきなのか、改めてご指導いただければと考えています」最終的には、SuperStream-NXをベースに人事給与システムと会計システム、そして勤怠管理も併せていずれは一つのインフラにまとめていきたいと中井氏に今後について語っていただいた。

 

システム構成図

パートナー情報とコメント

業務ノウハウを最大限に活用

プロジェクト推進の際に、私たちが意識したのは既存ベンダであることの強みを最大限に発揮できる進め方は何かということでした。「従来システムで対応できなかった業務対応、複雑な給与体系への対応、スムーズなデータ移行」これらを意識し短期間で、問題なく稼働させることができるかを考えました。

新たな業務要望にポイントを絞り時間をかけ、従来業務に対しては、サポートノウハウを最大限に活用し効果的な導入ができたと感じております。

ただ、給与計算結果の検証作業では、遅くまでお客様にお付き合いいただく場面もあり、皆様と一体となって新システム立ち上げるんだと目標を共有できたことも忘れられません。

今後は、もっともっと業務に有効活用していただきたいと考えております。手作業の撲滅、データの有効活用、周辺システムと更なる連携強化など。
SuperStream-NXをベースに、会計、勤怠などシステムの垣根を意識しない利用環境を、ご提案したいと思います。

キヤノンITソリューションズ株式会社SIサービス事業本部 SIソリューション事業部SIソリューション営業第四部 部長 枷場 雅則 氏

お客様情報

会社名 一般財団法人住友病院
本社 大阪府大阪市北区中之島5丁目3番20号
URL https://www.sumitomo-hp.or.jp
従業員数 799名(2015 年12月末現在)
事業内容 32の診療科を持つ総合病院

本導入事例に記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。