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株式会社バローホールディングス様

グループ会社間連携を深め、目指すは「製造小売業」
サプライチェーン全体をカバーする業務基盤を構築

株式会社バローホールディングス様

■事業内容 : 卸売/小売業

チェーンストア事業およびそれに関連する事業を営む会社の株式を保有することによる当該会社の事業活動の管理

導入の背景

持ち株会社体制への移行でグループシナジーの強化を図るバローグループ

持ち株会社体制への移行でグループシナジーの強化を図るバローグループ

岐阜県恵那市に本拠を構える株式会社バローホールディングス(以下、バローホールディングス)は、東海地方を中心にスーパーマーケットやホームセンター、ドラッグストア、スポーツクラブなど、さまざまな業態の店舗を幅広く展開する「バローグループ」の持ち株会社。店舗運営に加え、農産物の生産や食品製造・加工、物流、資材調達、保守・メンテナンス、清掃など多種多様な業態のグループ企業を有し、製造から流通、販売までをグループ内で完結する「製造小売業」という独自のビジネスモデル構築を目指している。

同社はもともと、東海地方を中心にスーパーマーケットチェーンを展開していた株式会社バローを母体とし、さまざまな業態の企業をM & A で傘下に収めながらビジネスの多角化を推し進めてきた。そして2015 年10 月に、バローホールディングスを持ち株会社として、その配下にグループ会社が連なるグループ経営体制へと移行した。さらに2016 年には、各グループ企業の経理や人事といったコーポレート業務を一括して請け負うシェアードサービス企業として株式会社コアサポート(以下、コアサポート)を設立。グループ経営体制のさらなる強化を図っている。
持ち株会社体制へと移行した背景について、コアサポート 取締役 業務統括部 兼 システム部 部長 古川哲也氏は次のように説明する。「かつては多店舗展開でお客様を獲得する戦略をとっていましたが、今後人口が減っていき、人手不足の深刻化も予想される中、新たな市場環境に適したビジネスモデルへの転換を迫られています。お客様の消費行動も、共働きや単身世帯が増えてきたことから、近所の店舗でこまめに買い物をするよりは、週末に大型店舗でまとめ買いするスタイルへと変わってきました。そこで弊社も、スーパーやホームセンターについては大型店舗に豊富な品揃えを用意し、より広い商圏からお客様を獲得する戦略へと転換を進めています。こうした変化に対応していくためには、グループ企業間の連携をさらに高め、グループシナジーを生かしてより良い商品を迅速にお客様にお届けする体制を整える必要があると考えたのです」

導入の課題

グループガバナンス強化のために会計システムを刷新

グループガバナンス強化のために会計システムを刷新

持ち株会社体制への移行、そしてそれに伴うシェアードサービスの導入に際し、最も大きな課題となったのが会計システムの扱いだった。各グループ会社はもともと、それぞれ独自に会計システムを導入・運用していたが、持ち株会社体制への移行とシェアードサービス導入を機に、思い切ってグループ内の会計基盤を統一することにした。「バローグループ内には製造から流通、サービス、販売と、さまざまな業態のグループ企業が40 社近く含まれています。これだけ多種多様な企業をまとめ上げてガバナンスを効かせていくためには、まずは業務の仕組みを統一するところから始めるのが得策だと考えました。まず仕組みを統一すれば、自ずと組織や運用面での統制もとれてくるだろうと考えたのです」(古川氏)
加えて、それまでバローホールディングスで運用してきた会計システムも当時さまざまな課題を抱えており、システム刷新の必要性に迫られていた。同社 経営企画部 次長 石川良宏氏は、当時を次のように振り返る。「事業の成長や多角化が進み、店舗が増えるにつれ、会計システムで管理するデータの種類や量もどんどん増えてきました。それに伴い、会計システムのキャパシティやパフォーマンスにもだんだん余裕がなくなってきて、オンライン処理や帳票出力処理に長い時間がかかるようになってきました。そのため、システムのパフォーマンス問題を回避するために、あえて手作業でデータを処理せざるを得ないケースもしばしばでした」

また、もともと使っていた会計システムには外部システムとの連携インタフェースが備わっていなかったため、他のシステムと連携するためには専用のプログラムを開発する必要があった。場合によってはプログラムではなく、人手でExcel ファイルを介したデータ連携を行うこともあったという。加えてサーバのハードウェア老朽化もかなり進んでおり、もはやシステム刷新は避けられない状況だった。

システム選定と導入

グループ経営に適しており既存業務との適合率も高い「SuperStream-NX」を採用

グループ経営に適しており既存業務との適合率も高い「SuperStream-NX」を採用

こうした状況を受け、同社は思い切って会計システムを刷新し、グループ内のあらゆる企業が共通で利用する統合会計基盤を一から構築する決断を下した。早速、新たな会計基盤を支える会計システムの製品選定を開始したが、同社が掲げる要件を満たす製品はそう多くはなかったという。
「バローグループにはさまざまな業態のグループ企業が存在しますから、各社の会計業務を統合するには会計システムも多種多様な業態に対応できなくてはなりません。また、パッケージ製品になるべくカスタマイズを加えず、デフォルトの機能だけで幅広い業務をカバーできることも採用の条件として挙げていました」(古川氏)

会計パッケージ製品は、法改正やシステム更改などに伴うバージョンアップ作業が不可欠だが、導入時にカスタマイズを多く加えるとバージョンアップ時の手間やコストがかさみ、場合によってはバージョンアップをあきらめて古いシステムを「塩漬け」にせざるを得ないこともある。そうした事態を避けるためにも、既存業務への適合率の高い製品を選ぶ必要があった。こうした条件に合致する会計パッケージ製品を探していたところ、同社のSI パートナーであるNEC ソリューションイノベータから提案を受けたのが「SuperStream-NX」だった。石川氏は同製品の印象について、次のように述べる。「グループ経営に対応した機能が豊富で、バローグループのようにさまざまな業態のグループ企業が多く存在する企業グループでの利用には極めて適していると感じました。またデフォルト機能と弊社の既存業務とのフィット&ギャップを行ったところ、当初私たちが想像していたよりもフィット率が高いことが判明しました。そこで、『これならうまく業務を組み立てられるのではないか』と判断しました」こうして同社は、正式にSuperStream-NX の採用を決定した。

導入効果

システムパフォーマンス向上による業務効率化を実現

システムパフォーマンス向上による業務効率化を実現

SuperStream-NX の導入プロジェクトは大きく分けて3 段階のフェイズで進められ、第一次開発ではバローホールディングスに加え、早期の導入を望む4 社のグループ会社に対して先行導入を行った。実際の導入作業を担当したコアサポート 業務統括部 経理2 課 鷲津充彦氏は、当時の状況を次のように振り返る。
「第一次開発では、各社のリリース日が互いに近かったためスケジューリングに苦労しましたが、何とか無事カットオーバーを迎えることができました。『SuperStream-NX』の機能は、以前使っていたシステムと比べるとかなり高度ですが、その分マスタの設定にはかなり気を遣い、工夫もしました。またサブシステムとの連携部分に関しては、NEC ソリューションイノベータさんの技術支援を受けながらさまざまな工夫を凝らすことで実現できました」

SuperStream-NX と外部システムとの連携には、会計システム本体とは別に、システム間連携(EAI)ツール「SuperStream-NX システム連携ツール」を採用した。同製品はノンプログラミングでシステム間連携を可能にするツールで、GUI 上の操作だけでデータ連携プログラムを設計・開発できる。このツールを活用することで、従来の環境よりはるかに容易かつ柔軟にシステム連携を実現できたという。こうして無事運用を開始した新会計システムは、稼働を開始して早々にさまざまな効果を発揮したという。旧システムでの最大の課題だったパフォーマンス問題は一気に解消され、データ抽出処理にかかる時間が大幅に短縮されたことで、決算期など繁忙期における資料作成作業が大いにはかどるようになった。
「毎月、月次の締めが完了した後に、各店舗に損益計算書を配布するのですが、旧システムは処理性能に限界があったため、締めてから配布できるようになるまで半日以上かかっていました。それが現在では、締めてから間髪入れずに、すぐ配布できるようになりました。月次の締めから次の作業に移るまでの時間が短縮できたのは、とてもありがたいですね。今後店舗が増えたとしても、処理時間が急に増える心配もないので安心できます」(石川氏) また帳票出力のパフォーマンスも大幅に改善されたと同時に、出力形式のバリエーションも増えたため、作成する資料の種類ごとに、よりマッチした見栄えのドキュメントを作成できるようになったという。

システムパフォーマンス向上による業務効率化を実現-1

今後の展望

グループ経営のシナジー効果やガバナンスをさらに高めていく

グループ会計基盤の統合によるガバナンス強化の取り組みも、着々と進んでいる。第二次開発、第三次開発と段階を追うごとに、新会計システムを採用するグループ企業の数も増えていき、現時点では7 社のグループ会社がSuperStream-NX で日々の会計業務を行っている。今後も段階的に各グループ会社の会計システムを新システムに移行していき、ゆくゆくはグループ全体の会計基盤をSuperStream-NX で統合する予定だという。
これによってバローグループでは今後、各グループ会社間の連携を深め、グループでサプライチェーン全体をカバーできる強みをさらに生かしていきたいとしている。今回のSuperStream-NX 導入は、そのための業務基盤を構築できたという意味で非常に意義深いと古川氏は高く評価する。「いろいろな業態の会社を持っていることが私たちの強みであり、今後もさらにM & A を積極的に進めてグループ外の子会社も増やしていく予定です。グループ企業だけでなく、そうしたグループ外の子会社も、会社規模によっては今後SuperStream-NX の導入による業務効率化やガバナンス強化を積極的に検討していきたいと考えています。このように、多様な業態の会社が仲間入りしてもすぐに会計業務を統合できる点は、今後グループ全体のビジネスを成長させていく上で大きな強みになることでしょう」

パートナー情報とコメント

NECソリューションイノベータ株式会社

お客様情報

会社名 株式会社バローホールディングス
本社 岐阜県多治見市大針町661 番地の1
URL https://valorholdings.co.jp/
従業員数 社員6,501 名、パート等17,100 名 (2019 年3 月31 日現在)
事業内容

チェーンストア事業および
それに関連する事業を営む会社の株式を保有することによる当該会社の事業活動の管理

本導入事例に記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。