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第13回 「-RPA特集 第9回- RPAを導入する上での留意点(その2)」

掲載日:2019.09.01
前回に引き続き、RPAを導入する上でお役に立ちそうなポイントを説明します。

9.Excel資産は生かす:

RPAがとん挫した事例の中で、従来Excelで計算などをさせていた作業を「せっかくRPAを買ったのだから」ということで、全てをRPAで対応しようとして、あまりにも難易度が高くなり、RPA導入プロジェクトがうまく進まなくなったという事例があります。
従来ExcelでできていたことまでRPAにやらせる必要はありません。
それまでのExcelシートは活かしつつ、そのファイルやシートにデータを読み込んだり、張り付けたりする単純作業をRPAで対応するのが良いでしょう。
少なくとも、ロボを作り始める段階では、こんな難しいことをロボにやらせないことです。作りやすいロボから作り始めることが、何よりも重要だと思います。

10.本格RPAと簡易RPAを組み合わせて使う:

RPAには、ITスキルがない経理部門の担当者ではロボを作ることができない「本格RPA」とITスキルが全くいらない「簡易RPA」があります。
これまでは、そのどちらかを選定して、一つのRPAを導入することが一般的でした。
しかし、最近、特徴の異なるこれらのRPAを複数購入して使う事例が出てきました。
内部統制に関わる作業については、IT統制が効きやすい「本格RPA」でロボを作成して、内部統制に関わらない作業については、業務部門担当者が「簡易RPA」で、どんどんロボを作りまくるというアイデアです。
また、RPAの導入について、経理部門からボトムアップで進めるのではなく、トップダウンや業務改革本部が中心となってRPAが導入されるケースでは、会社として、「本格RPA」が選定されるケースが多いようです。
しかし「本格RPA」でロボを作成する場合には、経理部門の担当者には、「ロボ化したい業務を洗い出せ」とか「ロボ化したい業務を文書(要件定義書)に記載しろ」などといった依頼が発出されます。
「業務の洗出し」や「要件定義書の作成」は、経理部門ではあまり得意とされない作業です。
そこで、最近になって、「簡易RPA」で業務担当者が自分で作成したロボを、業務改革本部やシステム部門に提出して、「本格RPA」でロボを作成する時の「要件定義書代わり」にするケースが出てきました。

11.試供版を徹底利用する:

実際の使い勝手が良さについては、無料で試せる試供版を利用することを強くお勧めします。
特に簡易RPAを検討する場合には、システム部門が選定責任があるとしても、実際にRPAでロボを作成する経理担当者に試供版で試してもらうことは必須と言えるでしょう。システム部門では使いやすいと感じても、経理担当者にとってはとてもロボを作れるものではないと感じることがあるからです。
また、実際に経理担当者が使っている業務システムやoffice製品(ExcelやOutlook)などでロボが作成できて、きちんと動くかどうかを検証することはとても大切です。
RPAをインストールするPC端末によっては、その画面設定などが異なるので、RPAが適切に動作したりしなかったりするのです。
また、RPAの製品によっては、画像認識の正確さに違いがあります。
実際に、特定のERPの画面の色をきちんと把握できず、適切に動作したり止まったりして、不安定な状況になることがありました。

12.「ロボ作成ガイド」や「ノウハウ集」を作成する:
Excelで表を作成する際に、作成した後の状況変化に応じて、修正・変更しやすいように、最初から考えて作成する人もいれば、とりあえず作成するけれども、その後の修正に手間がかかる作り方をする人もいます。
RPAでロボを作成する場合にも同じことが言えます。ロボの作り方にも個人差が出てくるのは当然です。
そこで、なるべくスマートにロボを作成できるように、複数の人にロボを作らせて、いくつかのロボができた段階で、作り方の違いを分析して、優れたやり方に統一したり、作るうえでの「コツ」などを簡単にまとめたりして、「ロボ作成ガイド」や「ノウハウ集」を作成すると良いでしょう。

13.メンテナンスが必須:

ロボを作って自動化できたら「もう全く手間がかからなくなった」ということで、放置しがちです。しかし、ロボを作っても、作った時の前提が変わると、動かなくなることがあります。
例えば、業務システムの仕様変更で、画面のレイアウトや機能の名称が変わり、画像認識ができなくなるケースなどです。office製品のバージョンアップなども動かなくなる原因になります。
したがって、ロボの作りっぱなしはダメです。ロボ化したらまかせっきりにしないで、機能変更やバージョンアップのタイミング、あるいは決算前など定期的に、適切に動作するかどうかを確認することが望まれます。

14.ロボ一覧表を作成する:

特にロボを作りやすい簡易RPAでは、作り始めたらどんどんロボができるようになります。さらに、一連のプロセスすべてをロボ化しないで、細切れでロボを作れるようになると、一気にロボの数が増えます。
そうなってくると、どの端末でどんな作業をロボがしているのかがわからなくなります。いわゆる「野良ロボ」です。
「野良ロボ」の増加を放置すると、すでにある作業をロボ化しているのに、また同じ作業をするロボを作ってしまうなど、重複が発生したりします。
また、業務システムの仕様変更やoffice製品のバージョンアップなどがあった場合に、どのロボに影響があるのかがわかりません。ロボが動かなくなって初めて気づくことになります。決算などの忙しい時に、多くのロボをメンテナンスすることは、決算スケジュールに悪い影響を与える可能性があります。
したがって、ロボが作れるようになったら、最初から「ロボ一覧表」を作成することが重要です。
また、「ロボ一覧表」には、ロボが操作するソフトウェア(業務システム、Office、ブラウザなど)を記録すると良いでしょう。
業務システムの仕様変更やoffice製品のバージョンアップなどがあった場合に、どのロボに影響がありそうかを、事前に把握して、先手を打って対応することができるでしょう。

著者プロフィール

中田 清穂(なかた せいほ)

青山監査法人にて米国基準での連結財務諸表監査に7年間従事。
旧PWCに転籍後、連結経営システム構築プロジェクト(約10社)に従事。
その他に経理業務改善プロジェクトや物流管理プロジェクトにて、現場業務の現状分析や改善提案に参画。
旧PWC退社後、DIVA社を設立し、取締役副社長に就任。DIVA社退社後、独立。

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