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第6回 「請求書業務の効率化」

掲載日:2020.02.05
仕入先などから送付される請求書に関連する業務は、なかなか効率化ができない、代表的な経理業務です。
一般的に、以下のような課題があると言われています。

(1) 発行元(仕入先など)は、それぞれ勝手なフォームで作成していて標準化されていない
(2) 通常は1枚か2枚だが、発行元によっては、頼みもしていないのに、膨大な明細を添付してくるところがある
(3) 請求書は、まずは現場に配達され、現場で請求書を受発注システムなどに入力する業務で、現場によって精度や速さでバラツキが生まれる。
(4) 最終的には、請求書が全ての現場から経理に配達されることから、コストがかかる
(5) 経理では、毎月の膨大な請求書の内容を、会計システムに入力して、支払い処理を行う必要があり、多くの工数と時間がかかる
(6) また、毎月の請求書枚数が膨大なので「請求書ファイル」に閉じるのに、多くの時間と工数がかかる
(7) 他部署からの問い合わせや税務調査などで、過去の請求書を探すのに時間と工数がかかる
(8) 税務上必要とされる年数分の請求書をすべて保管しなければならないので、保管コストがかかる

このような課題を解決するための一つの方法として、最近のITの利用が提案されています。

具体的には、

A) ペーパーレス化

B) テキスト化

です。

Aのペーパーレス化は、まず、紙の請求書を複合機などで読み取って(スキャンして)、画像(PDF)ファイルにします。
そして、PDFファイルにタイムスタンプを付して、改ざんできないフォルダやサーバーに格納するようにします。
その他電子帳簿保存法(スキャナ保存法)の要件を満たしたら、税務上の原本として扱えるようになるので、
紙の請求書は原本ではなくなり、捨てられるようになります。
これにより、上記課題の(4)の運送コスト、(6)のファイリング、(7)の請求書探し及び(8)の保管コストなどの課題を解決できるでしょう。

Bのテキスト化は、紙の請求書をスキャンしてPDFファイルにすることが前提になります。
PDFファイルは画像なので、以下のような項目が「テキストデータ」になっていません。

どこが発行した請求書なのか(発行会社)
いつ発行したのか(発行日)
いくら請求しているのか(請求金額)

そこで、OCRを利用して、「画像データ」を「文字データ」に変換します。
OCRは、紙に書かれたり印刷された文字を、複合機、スマートフォンあるいはデジタルカメラによって読みとって画像データにしたものを、
コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術です。
そうすることで、請求書のPDFファイルに、上記①から③の情報を「文字データ」として付与することができます。
そして、人間が一件一件入力しなくても、文字データを会社のシステムに取り込めるようになります。
これにより(3)の現場での受発注システムなどへの入力業務や(5)の経理での会計システムへの入力業務などが改善できるでしょう。


しかし、便利なことばかり書いていますが、実際にはそんなに単純な話ではありません。
以下のような問題により、経理の現場ではOCRはまだ普及していないようです。

(ア) OCRの識字率が100%ではないために、画像データが文字データに適切に変換されていないものについて、人間が修正や補完的な作業を行う必要がある。
(イ) 課題の(1)にあげたように、発行元によって請求書のフォームがばらばらで、請求書のどこが発行元で、発行日なのかなどを、発行元ごとに事前登録する手間がかかる

しかし、最近は、「AI-OCR」という言葉が良く使われるようになり、このような問題が解消できるようになりました。
例えば、(ア)の識字率を向上させるために、人工知能(AI)を利用して、手書きであっても、相当高いレベルの識字率になってきました。
(イ)のフォームも、事前登録しなくても、「会社」がついているテキストを「発行会社」として識別できる機能などが開発され、利用され始めています。

さらに、「AI-OCR」が文字として認識しやすくするために、PDFファイルを作成する機器(ハードウェア)の機能も充実してきました。
以下は、特に「ドキュメントスキャナー」というスキャン専用機器の機能ですが、例えば、

1. カラーを白黒にする
2. 罫線を消す
3. 汚れを除去する
4. 傾きを補正する
5. 原紙よりも太いフォントにする

こういったハードウェア側の機能をフルに生かすことで、OCRによる文字への変換が飛躍的に向上します。

さらに、ドキュメントスキャナーには、複数枚読み込んだら自動的に止まったり、スキャナ保存法対応用に加工しないでPDFを作ると同時に、
上記のOCRが読み取りやすいモードでのPDFも作成したりするなど、一度のスキャンで同時に複数種類のPDFファイルを作成する機能などもあります。
ドキュメントスキャナーは、スキャン専用機器なので、1分間に数十枚から100枚もスキャンしてPDFファイルを作ります。

請求書業務を改善したいなら、最新の情報を集めて、検討することは、非常に有用だと思います。

著者プロフィール

中田 清穂(なかた せいほ)

青山監査法人にて米国基準での連結財務諸表監査に7年間従事。
旧PWCに転籍後、連結経営システム構築プロジェクト(約10社)に従事。
その他に経理業務改善プロジェクトや物流管理プロジェクトにて、現場業務の現状分析や改善提案に参画。
旧PWC退社後、DIVA社を設立し、取締役副社長に就任。DIVA社退社後、独立。

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