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日本で利用されているRPAにはどのようなものがあるのか(その1:海外製品の価格相場と特徴)

日本で利用されているRPAにはどのようなものがあるのか(その1:海外製品の価格相場と特徴)

 中田 清穂(なかた せいほ)

読者のみなさん
明けましておめでとうございます。
今年が皆様にとって良い年になるようお祈りしております。

さて、前回のコラムで、今年から1年間は、RPA(ロボティクス)をテーマにした特集にすることをご紹介しました。

今回はその1回目になります。
経理や人事・総務など、日本の間接部門の方々は、RPAに関心を持つ方々がとても増えているようです。
しかし、RPAの情報を集めようとしても、どのようなRPAがあるのか、特に日本企業で使われているRPAにはどのようなものがあるのかをまず知りたい、という方が多いようです。
したがって、今回は日本に先行して開発され、海外でも導入が進んでいるRPA製品について説明しようと思います。

今では多くのRPAが開発販売されていますが、私が知る限り、日本企業で使われている主な海外製品は以下の4つです。

  1. blueprism
  2. AUTOMATION ANYWHERE
  3. ビズロボ
  4. UiPath

海外で開発されている製品なので、ロボを作成する際には英語で表現されたメニューで作成することになります。また、ヘルプやマニュアルも英語なので、英語に抵抗がなければ問題ないでしょう。
ただ、最近になって日本語対応が進んできているので、以前よりは日本語での作業がしやすくなってきているようです。
なお、「日本語対応済み」といっても、どこまでわかりやすい表現になっているのかは、それぞれの実物を見で確かめた方が良いでしょう。

また、これら海外製品に共通して言えるのは、「ある程度のITリテラシー」が必要だということです。具体的には、プログラム言語をある程度理解することと、プログラミングのセンスが必要だということです。
「ITリテラシー」といってもピンとこないかもしれません。
似たような表現で例えるならば、「Excelリテラシー」という表現になろうかと思います。
Excelは、マイクロソフト社の表計算ソフトのことですが、「Excelが使える」といってもいろいろなレベルがありますね。

(1)セルをすべて正方形にして方眼紙のようにして、議事録やメモ帳のようにしか
 使わない人(関数をほとんど使えない、マクロなんて全く使えない)

(2)簡単な四則計算くらいの関数を使える人

(3)条件式やデータベース関数など、高度な関数を使える人

(4)マクロを組んで、手続きを自動化できる人

(1)から(4)へと、下に行くほど「Excelリテラシーが高い」という表現になります。

海外製品のRPAで必要となる「ITリテラシー」のレベルは、(4)のレベルと言えるでしょう。

プログラミングのセンスというのは、同じ作業をロボに覚えさせるのにも、いろいろなやらせ方があります。
例えば、同じ作業を3回繰り返させる場合、

(1)同じ作業を3回記録する方法
(2)作業を1つだけ記録して「繰返機能」を使って3回実行するようにする方法
の2通りがあったりします。

どちらのセンスが良いでしょうか。
明らかに(2)のやり方ですね。
理由は、この作業を後で一部変更しなければならなくなった時に、(1)だと3か所修正が必要ですが、(2)だと1か所の修正で済むからです。
これはExcelでファイルを作成するときにも似たようなことがありますね。
つまり、リテラシーが低くセンスが悪くてもプログラミングはできますが、後のメンテナンスが大変になりがちなのです。

また、海外製品に共通しているのは、クライアント/サーバー型から始まっているということです。
したがって、複数のPC端末(クライアント)で、どのようなRPAがあり、実行中なのかといった管理がサーバーでできるものばかりです。
ただ、最近は、スタンドアロン型やクラウド型のものが出てきていますので、クライアント/サーバー型だけではなくなってきています。

さらに海外製品に共通しているもう一つのポイントは、価格が高めであるということです。
ライセンス料や導入コストなどを含む初期投資額は、300万円前後から700万円超までになり、「安いといってもそれなりにかかるな」という印象です。

詳しく説明するとまだまだ紙幅が足りません。
次回は国産のRPAについて解説します。

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