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2月の人事労務お役立ち情報|『マイナンバー等確認リストについて』

2月の人事労務お役立ち情報|『マイナンバー等確認リストについて』

 アクタス社会保険労務士法人

今月のお仕事一覧

『2月のお仕事カレンダー』

スケジュール

【2月13日】 1月入社の雇用保険資格取得届の提出(公共職業安定所)
1月分源泉所得税・住民税の納付(郵便局または銀行)
【2月14日】 労働保険料の第3期分の口座振替納付日
【2月16日】 所得税の確定申告受付開始(3月15日まで)
【2月28日】 1月分社会保険料の納付(郵便局または銀行)

知っ得!労務クイズ こんな時、あんな時

『特別徴収の適用例外者の従業員数は?』

-Question-

住民税の納付は、前年中に特別徴収義務者となる事業主から給与の支払いを受けており、かつ当年の4月1日において給与の支払いを受けている場合、原則特別徴収となります。ですが、総従業員数が一定の人数以下の場合、例外として普通徴収が認められていますが、総従業員数は何人以下の場合でしょうか。

(イ)2人以下

(ロ)5人以下

(ハ)人数基準の例外はない

-Answer-

 (イ)2人以下

総従業員数が2人以下(次の1から5の理由に該当し、既に普通徴収とする対象者は除く)の事業者は、例外として、普通徴収が認められます。
なお、普通徴収とするには、市区町村に「普通徴収切替理由書」の提出が必要です

  1. 乙欄適用者など、他の事業所で特別徴収を行っている方
  2. 給与が少額で、特別徴収税額の引き去りが出来ない方
  3. 給与の支払いが不定期な方
  4. 個人事業主の事業専従者で、専従者給与を受けている方
  5. 退職又は5月末までに退職予定の方及び休職されている方

法改正・労務トピック解説


『マイナンバー等確認リストについて』

協会けんぽ分野では平成29年7月より情報連携が試験運用的に始まり、11月より本格運用が開始されました。(法報タイムズ第564号を参照)
「協会けんぽにおいてマイナンバー制度による情報連携が開始されます」
http://www.romu.jp/cms_magazine/2017/08/564.html

この動きは、今後日本年金機構にも拡大されることになっており、情報連携が活用されると、被保険者の氏名変更届や住所変更届の省略や、各種添付書類の省略など利便性が高まることが見込まれています。

しかしながら、日本年金機構が管理している情報と住民票に記載されている情報が異なる等の理由により、マイナンバーの確認が出来ない被保険者が存在していることが明らかになっています。
そういった、日本年金機構においてマイナンバーが確認できない被保険者及び被扶養者が在籍している会社宛に、マイナンバーの確認のために「マイナンバー等確認リスト」が、昨年12月中旬以降送付されています。

さらに、「マイナンバー等確認リスト」に関するお問い合わせのために、平成29年12月20日以降に照会ダイヤルが設置されておりますので、リストが届いた会社は、照会ダイヤルも活用しながら、確認作業を着実に進めていきましょう。

なお、該当者がいない会社に関してはリストの送付はありませんので、対応する必要はございません。
日本年金機構「被保険者のマイナンバーの確認にご協力ください」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyonushi/oshirase/20150521-01.files/zenkoku011.pdf

給与・社会保険相談Q&A

『配偶者控除と配偶者特別控除の改正に伴う、平成30年分の扶養控除等申告書記載内容の確認ポイントについて』

【質問】

1月給与計算前に平成29年分と平成30年分の扶養控除等申告書の記載内容が異なる場合に、扶養情報の変更を反映して源泉徴収計算を行いますが、配偶者控除と配偶者特別控除の改正を踏まえ、会社としてどのような確認をしたら良いでしょうか。

【回答】

扶養控除等申告書は、給与所得者(従業員)が、その給与について扶養控除などの諸控除を受けるために、毎年最初に給与の支払を受ける日の前日までに提出しなければなりません。

そして、給与の支払者(事業主)は、申告書を受理した場合には、その記載が正しく行われているかどうかを確かめたうえで、源泉徴収を行うこととされていますので、記入漏れや記載されている所得が扶養の範囲内であるか等の確認を行うことになります。

今回の配偶者控除と配偶者特別控除の改正では、給与所得者本人の所得により配偶者の記載範囲が異なり、また、扶養対象外の配偶者を申告書に記載できるようになりました。まだまだ、改正に対する理解も深まっていないと思われますので、会社としては、以下の確認も行ったほうが良いでしょう。

  1. 給与所得900万円超(給与収入1120万円超)の方
    給与所得900万超の方は、扶養控除等申告書の源泉控除対象配偶者欄へ配偶者を記載できなくなりました。
    賞与や変動給が多い方は、本年所得の見積が難しい部分ではありますが、給与が下がらないことを前提とするならば、例えば、昨年所得850万超の方を絞り込み、源泉控除対象配偶者欄に記載がある場合には、確認すると良いでしょう。
  2. 配偶者特別控除があった方
    今年から、配偶者特別控除対象となる配偶者で所得85万以下(給与収入150万以下)であれば、申告書へ配偶者を記載できることになりました。
    昨年配偶者特別控除の適用があった方は、配偶者所得76万以下の方で、本年から申告書へ配偶者を記載できる可能性が高い方ですので、源泉控除対象配偶者へ該当するかを確認すると良いでしょう。

【バックナンバー】

配偶者控除と配偶者特別控除の改正に伴い、扶養控除等申告書の記入方法が変わる点と給与計算への影響について

http://www.romu.jp/cms_magazine/2017/10/571.html

今月の人事労務相談室

『無期転換後の労働条件に勤務地や職種の変更を設けることはできるか?』

【相談内容】

有期の契約社員から無期転換の申し込みを受けた場合、無期転換後の労働条件に勤務地や職種の変更など、本人にとって不利になるような労働条件を設けることはできるのでしょうか?

【社労士のアドバイス】

無期転換後の労働条件について、労働契約法第18条では、現在締結している有期労働契約の労働条件と同一であることを原則とするも、あらかじめ就業規則等で別段の定めをすることにより変更も可能と規定しています。

ただし、全ての労働条件変更が可能となるとは限りません。その内容が公序良俗に反する場合や、無期転換の申込みを抑制することを目的としたものであると判断された場合等、合理性が認められない変更は無効と判断される可能性があります。

現実には無期転換前と賃金はそのままで、引き続き異動を希望しない者もいるかもしれませんが、仮に異動範囲の変更と併せて正社員並みに賃金は引き上がるのであれば、一概に不適切とは言えません。

人事担当者は、無期転換ルールを積極的な人材活用の機会ととらえ、会社側の視点だけで考えるのではなく、社員側の立場も踏まえ多様なニーズに応えられる選択肢を模索することも必要かもしれません。

人事が企業成長を支える時代、戦略人事を実現するために必要な土台の作り方

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