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11月の人事労務お役立ち情報|『36協定の新様式は2種類へ変更されます』

11月の人事労務お役立ち情報|『36協定の新様式は2種類へ変更されます』

 アクタス社会保険労務士法人

今月のお仕事一覧

『11月のお仕事カレンダー』

スケジュール

【11月10日】 10月入社の雇用保険資格取得届の提出(ハローワーク)
10月分源泉所得税・住民税の納付(郵便局または銀行)
【11月14日】 労働保険料の第2期分口座振替納付日
【11月30日】 10月分社会保険料の納付 (郵便局または銀行)

法改正・労務トピック解説

『36協定の新様式は2種類へ変更されます』

第145回労働政策審議会労働条件分科会にて2019年4月以降使用する36協定の新様式が公開されました。
今号では、装い新たになった36協定書の主な変更点についてお伝えします。

  1. 様式が2種類へと変更
    これまでは特別条項を設けようが設けまいが、同じ様式での届出が可能でしたが、2019年以降は特別条項の有無によって使用する様式が異なります。厳密に言えば、特別条項を設ける場合、通常の時間外労働の限度時間に関する協定を1ページ目とし、2ページ目に特別条項の詳細を記載することとなりますので、2枚組となります。
  2. チェックボックスの新設
    「時間外労働及び休日労働を合算した時間数は、1箇月について100時間未満でなければならず、かつ2箇月から6箇月までを平均して80時間を超過しないこと。」というチェックボックスが設けられました。
  3. 特別条項の様式の記載内容がより厳格化
    特別条項を設ける場合の様式(2ページ目)には、「限度時間を超えて労働させる場合における手続」、「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置」を個別に記載する欄が設けられました。

それぞれの変更点も大切ではありますが、特に上記(3)にある通り、特別条項を発動させるためには健康確保措置を取る必要があり、その具体例は様式の裏面に取組例が記載されております。

社内での取り組みを早めに検討しておきましょう。

【参考】
(厚生労働省)「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

今月の人事労務相談室

『所定労働時間が日ごとに異なるパートタイムの有給休暇の賃金は?』

【相談内容】

月曜~水曜は4時間、木曜と金曜は6時間で契約しているパートタイム労働者が有給休暇を取得した場合、支払うべき賃金はどのように計算すべきでしょうか。
月曜日と金曜日でそれぞれ支払う賃金は異なりますでしょうか。

【社労士のアドバイス】

まず有給休暇に対する賃金の支払について整理しましょう。

有給休暇を取得した場合に支払うべき賃金については、労基法第39条にて以下のように定められています。

  1. 通常の賃金
  2. 平均賃金
  3. 例外として健康保険の標準報酬日額に相当する額(労使協定が必要)

会社のルール上、就業規則等にどのように定められているかによりますが、仮に(1)通常の賃金にて支払うと規定されている場合には、それぞれの曜日における契約時間分の賃金を支払うことになりますので、月曜日に有給休暇を取得した場合と、金曜日に有給休暇を取得した場合で、支払われる賃金が異なることになります。

しかしながら取得する曜日によって金額に違いが生まれますので、中には不公平感を感じるパートタイム労働者もいるかもしれません。

そのような声が大きい場合には、平均賃金を用いた計算も一案です。この方法によれば有給休暇を取得する曜日の影響を受けないことがメリットですが、一方で有給休暇を取得する都度、平均賃金を算出する必要がありますので、事務処理が煩雑になることがデメリットとなります。

(参考)平均賃金の算出方法
 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/var/rev0/0109/4772/280823-1.pdf

(1)と(2)いずれを採用する場合であってもメリットデメリットがありますので、社内で検討の上支払うようにしましょう。

人事が企業成長を支える時代、戦略人事を実現するために必要な土台の作り方

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