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10月の人事労務お役立ち情報|『税制改正における年末調整変更ポイント等について』

10月の人事労務お役立ち情報|『税制改正における年末調整変更ポイント等について』

 アクタス社会保険労務士法人

今月のお仕事一覧

『10月のお仕事カレンダー』

スケジュール

【10月10日】
  • 9月入社の雇用保険資格取得届の提出(ハローワーク)
  • 9月分源泉所得税・住民税の納付(郵便局または銀行)
【10月31日】
  • 9月分社会保険料の納付 (郵便局または銀行)

法改正・労務トピック解説

『税制改正における年末調整変更ポイント等について』

「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の項目追加

地方税法の改正により、単身児童扶養者(児童扶養手当の支給を受けている児童と生計を一にする未婚のひとり親)に該当する場合も住民税の非課税措置の対象となりました。そのため、住民税に関する事項に単身児童扶養者欄が追加されました。

新様式
http://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/index.htm

給与所得控除の引き下げ

給与所得額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を引いて算出します。この給与所得控除額が令和2年より一律10万円引き下げられることになります。また、給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額が現行の1,000万円から850万円に引き下げられ、給与所得控除の上限額も現行の220万円から195万円に引き下げられます。
(年収850万円を超える場合、10万円以上の引き下げ額となります。)

基礎控除の引き上げ

今まで基礎控除は納税者全員に対し、一律38万円が控除されていましたが、令和2年より基礎控除の額が最大48万円に引き上げられ、所得に応じて段階的に縮小するしくみへ変更となります。
(合計所得金額が2400万円を超えると控除額が徐々に引き下げられ、2,500万円を超えると控除額が0円になります。)

配偶者控除や扶養控除の合計所得金額の要件変更

配偶者や扶養親族などの合計所得金額の要件も見直されることになります。
具体的には、以下の4つの要件が見直されます。
(1)配偶者控除   改正前38万円以下 → 改正後48万円以下
(2)配偶者特別控除 改正前38万円越え123万円以下
               →改正後48万円越え133万円以下
(3)扶養控除    改正前38万円以下 → 改正後48万円以下
(4)勤労学生控除  改正前65万円以下 → 改正後75万円以下

(参考資料) 
源泉所得税の改正のあらまし ー令和元年5月ー
(6ページ以降をご参照下さい)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0019004-078.pdf

源泉所得税の改正のあらましの正誤表 ー令和元年5月ー
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0019005-025.pdf

実際には令和2年の年末調整の際に影響してきますが、法改正について予め整理しておきましょう。

今月の人事労務相談室

『未消化の年次有給休暇の買上げは可能か?』

【相談内容】

社員から年次有給休暇を買い取ってほしいと希望がありましたが、有給休暇を買い取ることは可能でしょうか?

【社労士のアドバイス】

退職時における年休の買い取りが、例外的に認められています。

有給休暇の趣旨は、労働者の心身の疲労を回復させ、労働者の福祉向上を図ることとされています。その為、有給休暇の買い取りは、原則禁止されていますが、以下に該当する日数については、例外的に買い取りを行うことが認められています。

  • 法定の有給休暇を超えた日数
  • 有給休暇の時効により消滅した日数
  • 退職時に未消化となった有給休暇の日数

ただし、買い取りが有給休暇取得の抑制に繋がる場合は、法律の趣旨に反する行為として望ましくないと考えられていますので、原則は在職中に有給休暇を取得するように推奨することが必要です。

さらに、今年4月より働き方改革の一環として全ての企業に対して、年5日の有給休暇の取得が義務付けられました。

会社は法令違反にならないよう、正しく有給休暇の管理を行い、必要に応じて対応策を講じる等、社員のライフワークバランス向上を推進することが求められます。

有給休暇取得義務化にむけた準備および年次有給休暇の計画的付与については587号をご参照ください。http://www.romu.jp/cms_magazine/2018/07/587.html

人事が企業成長を支える時代、戦略人事を実現するために必要な土台の作り方

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