日本の会計・人事を変える。”もっとやさしく””もっと便利に”企業のバックオフィスを最適化。

8月の人事労務お役立ち情報|『自己都合退職における雇用保険基本手当の給付制限期間短縮について』

8月の人事労務お役立ち情報|『自己都合退職における雇用保険基本手当の給付制限期間短縮について』

 アクタス社会保険労務士法人

今月のお仕事一覧


『8月のお仕事カレンダー』

スケジュール

【8月11日】 ・7月入社の雇用保険資格取得届の提出
 (ハローワーク)

・7月分源泉所得税・住民税の納付
 (郵便局または銀行)
【8月31日】 ・7月分社会保険料の納付
 (郵便局または銀行)

法改正・労務トピック解説

『自己都合退職における雇用保険基本手当の給付制限期間短縮について』

厚生労働省で開催された「第136回労働政策審議会職業安定分科会
雇用保険部会」において、雇用保険基本手当の給付制限期間について
見直す内容等が盛り込まれた報告書案が資料として公開されました。

基本手当受給の流れと、今回の見直しについて以下の通り解説いたします。

1.基本手当受給の流れについて

会社を退職すると、雇用保険の被保険者資格を喪失することとなり、
会社がハローワークで手続きを行うことにより、退職者は「離職票」の交付
を受けます。この離職票を、退職者がハローワークに持参して手続きをする
ことで、「基本手当」いわゆる失業手当が受給できます。

しかし、手続き後すぐにもらえるわけではなく、受給資格決定日(離職票の
提出と求職の申し込みを行った日)から7日間は「待期期間」と呼ばれ、
離職理由にかかわらず、全ての人が失業手当を受給できない期間となって  います。

転職や独立など自己の都合により会社を退職した「自己都合離職者」の
場合は、7日間の待期期間後、原則として3カ月の「給付制限期間」が
設けられています。その期間は失業手当の給付を受けられません。

2.自己都合離職者の給付制限期間について  報告書案では、この「自己都合離職者」の給付制限期間を5年間のうち
 2回までに限り、2ヶ月に短縮する措置を試行するとしており、
 効果を2年間を目途に検証するとしています。

 こちらの給付制限期間短縮については、詳細のリーフレットが鳥取労働局
 より公表されましたので参照ください。

3.被保険者期間について

この他にも、2020年8月からは、離職票の被保険者期間としてカウント  する月を、現状の日数だけでなく、労働時間によってもカウントきる見直しも  なされています。
具体的には、従来の「賃金支払の基礎となった日数が11日以上である月」  の条件が満たせない場合でも、「当該月における労働時間が80時間以上」  であることを満たす場合には算入できるようになります。

コロナ対応はもちろんですが、短いスパンで給付要件等が改定されています。
日常の手続きや従業員への説明には十分な情報収集が不可欠です。

<参考>
第136回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会資料
厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000187096_00012.html

鳥取労働局ホームページ
https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/newpage_00498.html

今月の人事労務相談室

『新型コロナウイルス感染症の影響により、
休業手当を支払った際の算定基礎届作成における注意点は何ですか?』

【相談内容】

算定基礎届をこれから作成します。
新型コロナウイルス感染症の影響により休業手当を支払った月がある場合、
作成における注意点を教えてください。

【社労士のアドバイス】

新型コロナウイルス感染症の影響により、適用事業所の一部においては、
事業活動の縮小を余儀なくされ、労働者に対して一定の期間、一時帰休
させる対応が取られました。

一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも
低額な休業手当等が支払われることとなった場合の標準報酬の定時決定
(算定基礎届)の取扱いは、次のとおりです。

  1. 一時帰休とは

    事業所が、不況による業績悪化などの理由で操業短縮を行うにあたり、

    従業員を在籍のまま一時的(月1日以上)に自宅待機等の休業をさせること  をいいます。

    この場合、使用者の責に帰すべき事由による休業になりますので、
    労働基準法26条により休業期間中、使用者は、労働者に平均賃金の60%
    以上の手当を支給する必要があります。

  2. 定時決定(算定基礎届)について

    標準報酬の定時決定の対象月(4~6月)に一時帰休に伴う休業手当等が  支払われた場合は、その休業手当等をもって報酬月額を算定し、標準報酬を  決定します。

    ただし、標準報酬の決定の際(7月1日時点)、既に一時帰休の状況が  解消している場合は、定時決定を行う年の9月以後において受けるべき報酬  をもって報酬月額を算定し、標準報酬を決定します。

(参考)
算定基礎届の記入・提出ガイドブック
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20121017.files/guide.pdf

人事が企業成長を支える時代、戦略人事を実現するために必要な土台の作り方

関連記事