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影響度調査が終わったら

 中田 清穂(なかた せいほ)

今回は、IFRS対応プロジェクトの最初のステップである「影響度調査」が終わった後で、どのように進めていけばよいかについてお話したいと思います。

「影響度調査」は、「収益」や「有形固定資産」など、重要な項目から順に実施されていると思います。
しかし、各項目が終わるたびに、順次次の項目の「影響度調査」に進むべきか、あるいは、終わったばかりの項目で把握された課題についてさらに深く検討するべきか、迷われることもあるのではないでしょうか。

いずれが正解というわけではありませんが、一度「影響度調査」を行って、しばらく間が開いてしまうと、「影響度調査」の際に検討したことを忘れてしまい、さらに深く検討しようとしたときには、また一から思い出しながら考えることになって、非効率になることもあるでしょう。
したがって、ある調査項目が終わったら、次の項目の「影響度調査」を行う日とは別に、すでに終了した項目の課題の検討をするのが効率的だと思います。

課題の検討について留意すべき点は、以下です。

  1. 基本的に会計方針を決めるつもりで検討する。
  2. 会計方針を明確に決定できない場合には、なぜ決定できないのか、最低限、その原因だけは明確にする。
  3. 決定できない原因が、実際に過去の実績などを集計しないと判断がつかないものについては、いつまでに、誰が集計するのかを明確にする。
    このとき、期限は、全体スケジュールにおさまるようにする。
    集計できたら、その結果に基づいて会計方針を決定する。
  4. 決定できない原因が、権限規定の関係などでプロジェクト・メンバーだけでは決められない場合には、決定権限のある役職者などを把握して説明し、決断をせまる。
    この場合も、期限を明確にして、期限までに決断できない場合には、全体スケジュールに影響があることを、決定権限のある役職者などにきちんと伝える。
  5. 決定できない理由が、システムへのインパクトや現場部門の業務へのインパクトが相当大きなものであることが予想される場合には、システム部門や現場部門のスタッフに協力を依頼し、変更の現実性や変更した場合に必要な予算感やスケジュール感などについて協議する。
    上記協議の結果、変更が困難と判断された場合は、速やかに会計監査人にその旨と理由を説明し、原則的な方法への変更ができない場合の次善策を説明し、その妥当性について協議する。

以上、いろいろ記載しましたが、つまり「影響度調査」が終わったら、「ぐずぐずしないで、会計方針の決定にどんどん取り掛からなければならない」ということです。 ここでどんどん決めて行かないと、グループ会計方針も決まらないだけでなく、業務をどう変えれば良いのかの検討もできず、システムの改善・導入手続きにも進めないからです。
これでは、時間が経つばかりでプロジェクトは進みません。
半年や一年は、あっと言う間に過ぎて行くでしょう。

調査項目がわかれば、時間をかけて少しずつでもつぶせば良いので、なんとか進めていけるのですが、調査が終わって決めにかかる段階で、ピタッとプロジェクトが止まってしまうことが良くあります。
それは、記載例や他社事例もない状況で、自分で決めることが、日本人にとってとても不得意だからです。
ですから、「影響度調査」が終わった直後が、実は日本のIFRS対応において、一つの正念場だと言えるでしょう。

以上

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