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注記情報の大幅削減が可能に!!

 中田 清穂(なかた せいほ)

2014年12月18日、IASBは「開示イニシアティブ(IAS第1号の改訂)」を公表しました。

それが今回最終基準として「明確化」されたわけです。

明確化というのは、従来も同様の趣旨であったが、実際のIFRSの開示状況を見ると、重要性がない項目の開示で、注記が膨大になってしまっていることから、「本来の趣旨を明確に示す」というものです。

「IFRSを適用すると注記が膨大になる」という批判を受けた改訂だとも言われています。

この改訂は、IFRSベースの連結財務諸表を作成する上で、実務上、非常に重要な改訂だと思います。

特に、以下の項目が「明確化」されました。

  1. 重要でない情報を開示することで、重要な情報を埋没させては「ならない」
  2. IFRSの個々の基準で開示を義務付ける規定があったとしても、規定に従った情報に重要性がなければ開示しては「ならない」
  3. 財務諸表本表についても、表示する勘定科目が列挙されているが、重要性がない勘定科目まで表示することを求めてはいない。

現在、日本ではIFRSを任意適用している企業が増加しています。

しかし、それらIFRS任意適用企業の有価証券報告書での開示内容を分析すると、重要性がないと思われる項目が少なくありません。

それは、IFRSの個々の基準で要求されていることを網羅しようとしていることと、他社で開示している事例があれば、それを取り込もうとしているからです。

今回のIAS第1号の改訂で、こういった実務は見直されなければなりません。

問題となるポイントは、自社の開示ひな型を作成して、会計監査人に見てもらったときです。

「この基準に開示要求があるので、開示が必須です」
とか、
「他社も同様の開示しているので開示すべきです」
などといったコメントを、会計監査人が依然としてしてくる可能性が大きいと思います。

そんな時には、今回のIAS第1号の改訂内容を「念のため」提示して、
「個別の要求規定や他社の開示事例があることは理解していますが、弊社にとっては重要性がないので、『開示してはならない』と理解しています。」
と返答することがとても大切になるでしょう。

ちなみに、このIAS第1号の適用時期は、2016年1月1日以降に開始する事業年度です。

しかし、「即時適用」が認められています。

なぜなら、従来の趣旨を「明確化」しただけだからです。

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