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第13回 「税金のペナルティーいろいろ」|税務会計業務のポイント

第13回 「税金のペナルティーいろいろ」|税務会計業務のポイント

 アクタス税理士法人

確定申告書を期限内に提出しなかった場合、修正申告書の提出や更正があった場合、納期限までに納税を行わなかった場合などは、本来納めるべき税金に加えて、加算税や延滞税などの附帯税(地方税にあっては附帯金)、すなわちペナルティーが課されることになりますので注意が必要です。

「こんなときにはこんなペナルティーが課されます!」

  • 申告内容が過少だった場合は??
                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 過少申告加算税
  • 申告期限までに申告をしなかった場合は??
                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 無申告加算税
  • さらに仮装隠蔽があった場合は??
                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 重加算税
  • 納付期限までに納付をしなかった場合は??
                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 不納付加算税、延滞税


(注)平成12年1月1日以後については、年「7.3%」 と 「前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率及び基準貸付利率+4%」のいずれか低い割合を適用することとなります。

納税の猶予や滞納処分の停止など、一定の納税緩和の適用を受けている場合には、延滞税が免除(又は減免)されることになっています。
なお、法定申告期限から1年経過後にあった更正や修正申告については、1年経過後から更正があった日又は修正申告書を提出した日までの期間は延滞税の計算期間から除かれます。

 

Q&A

Q.弊社は3月決算ですが、法定期限までに申告・納付ができなかったため、加算税・延滞税を支払いました。納付した加算税・延滞税は、税務上損金として認められますか?

加算税や延滞税は、税務上損金として認められません。
税金を期限までに申告・納付しない場合には附帯税が課せられるのは前述のとおりです。申告・納付を安易に考えていると、本来納めなくても良いペナルティーを納めなくてはならなくなってしまいます。特に延滞税は、民間の金融機関からの借入利率より高率となる場合もありますので注意が必要です。また滞納があると、信用保証協会の保証や官公庁等の指名業者の指定が受けられない場合もあるので注意しましょう。

Q.弊社は3月決算法人です。5月末日に期限内申告書を提出しましたが、納税は法定納期限の5月末日までに行えず9月30日に納付しました。附帯税はどのくらいかかりますか?なお、法人税額は1,000,000円であり、申告期限の延長の届出は提出していません。

3月決算の法定納期限は5月31日です。それ以降に延滞税が課されます。延滞税の率は、法定納期限より2ヶ月を経過する日までは年4.5%(平成21年の場合)、2ヶ月を経過する日の翌日以後は14.6%です。

  1. 1,000,000円(本税) × 4.5%(利率)  ×61日 / 365日 =   7,500円 (6/1~7/31までの期間)
  2. 1,000,000円(本税) ×14.6%(利率) ×61日 / 365日 =  24,400円 (8/1~9/30までの期間) 
  3. 延滞税 ① + ② =  31,900円

Q.8月中に従業員に対して支払った給与にかかる源泉所得税ですが、うっかりミスで納付が遅れてしまいました。この場合でもペナルティーは課されますか?
なお、税額は1,000,000円で納期の特例の承認に関する申請書は提出していません。

8月中に従業員に対して支払った給与にかかる源泉所得税は、翌月9月の10日まで納付しなければなりません。うっかりミスで納付されなかった場合でも、原則的には、以下のような不納付加算税が課せられます。 
 不納付加算税  1,000,000円(本税) × 5%(利率) = 50,000円 
また、税務署からの通知により納付した場合は、不納付加算税の率が10%になります。
さらに、納期限の翌日から完納する日までの日数に応じて延滞税も課せられるので、源泉税のうっかりミスには注意が必要です。

Q.納期限を過ぎても税金を納めず、滞納し続けるとどうなりますか?
法定納期限を過ぎても税金を納めず滞納し続けると、財産の差し押さえ処分を受けますので注意が必要です。滞納後の国税の手続きは次のとおりです。

  1. 税務署から督促状が届きます。
  2. 督促状発送日から10日以内に完納しないと滞納処分として具体的には滞納者の資産(例えば、不動産や預金、売掛金等の債権、動産、有価証券など)が差し押さえられます。財産が差し押さえられると、納税者はそれらを自由に処分できなくなります。
    さらに滞納続けた場合、公売等により強制的に換価され、滞納税金に充当される処分が行われます。

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