日本の会計・人事を変える。”もっとやさしく””もっと便利に”企業のバックオフィスを最適化。スーパーストリーム

令和2年3月決算の税務申告のポイント

 アクタスマネジメントサービス㈱/アクタス税理士法人

令和2年3月決算について、消費税率の改正に伴った決算前の見直しポイントやこの決算から適用される税制のポイントを中心にまとめています。大企業等の電子申告義務化など令和2年4月以降に適用される内容につきましてもあわせてご確認ください。

消費税率の改正に伴う決算前の見直しポイント

令和元年10月1日から、消費税及び地方消費税の税率が引き上げられ、同時に軽減税率制度が実施されました。消費税の申告上のポイントを以下にまとめております。

区分経理の注意点
軽減税率8%」については「旧税率8%」と同じ8%ではありますが、消費税率6.3%→6.24%、地方消費税率1.7%→1.76%と割合が異なるため、適用税率ごとの区分が必要です。
誤った税率の領収書等の交付

「軽減税率8%が適用される商品(税抜価格5,000円)を標準税率10%で販売」

  • 販売者(領収書等交付側)…「取引事実」に基づく適正な税率で計算します。
    販売価格:5,500円 → 本体価格:5,093円
    消費税相当額:407円(5,500円×8/108)
  • 購入者(領収書等受領側)…正しい領収書等(販売価格5,400円、100円返してもらう)の再交付を依頼し、これに基づいて記帳を行います。
    ※仮に販売者に領収書等の再交付を請求しても受けられなかった場合には、やむを得ない理由に該当することから、標準税率10%の領収書等のまま軽減税率8%で記帳し、加えて帳簿に「やむを得ない理由」及び「課税仕入れの相手方の所在地等」を記載することを条件に帳簿のみの保存で仕入税額控除をとることができます。
必要事項未記載の請求書等を受領
相手に必要事項が記載された請求書等を再発行してもらう、又は「軽減税率対象商品である旨」、「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」を追記します。
ただし、3万円未満の少額な取引については、一定事項が記載された帳簿の保存のみで仕入税額控除の要件を満たします。
ポイントが即時充当される場合

キャッシュレス還元制度は、一般の中小店舗では5%、コンビニ等のFCチェーンでは2%のポイントを購入金額に対して付与される制度となります。
ポイントの即時充当は、購入時の税込金額に対しポイント相当額をその場で充当するもので、値引きではありません。よって、次の仕訳のように、ポイント相当額は「雑収入」(不課税)として計上されることとなります。

member-column-zeimu-vol-img_zeimu128_001

仮想通貨の評価方法等

平成31年4月1日以後に終了する事業年度から、法人が仮想通貨の譲渡をした場合には、その譲渡に係る利益額又は損失額は、原則として、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度の益金又は損金に算入されます。また、評価損益については、原則として、以下の区分に応じて取り扱うこととされます。

区分 評価方法 評価損益の取り扱い
市場仮想通貨
自己の計算において有する仮想通貨
時価法
益金(損金)算入する
自己以外の者の計算において有する仮想通貨 益金(損金)算入しない
市場仮想通貨に該当しない仮想通貨
原価法

(注)未決済仮想通貨の信用取引等については、事業年度末に決済したものとして計算した損益相当額を計上

適用除外事業者とみなし大企業

平成31年4月1日以後に開始する事業年度から、「適用除外事業者」及び「みなし大企業」に該当することとなった中小企業者については、中小企業関連税制の適用が停止されます。

  • 適用除外事業者…前3事業年度の所得金額の平均が15億円を超える中小企業
  • みなし大企業…大法人(資本金の額または出資金の額が5億円以上である法人等)の100%子会社、100%グループ内の大法人に発行済株式等の全部を直接・間接保有されている法人
「適用除外事業者」及び「みなし大企業」が制限を受ける主な中小企業関連税制は以下の通りです。
・中小企業技術基盤強化税制     ・所得拡大促進税制(中小企業者等のみに適用される部分)
・中小企業投資促進税制       ・少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
・中小企業経営強化税制       ・中小企業者等の軽減税率の特例

中小企業防災・減災投資促進税制

事業継続力強化計画を策定し、経済産業大臣の認定を受けた中小企業・小規模企業が、令和元年7月16日から令和3年3月31日までの間に、災害への事前対策を強化するために取得する防災・減災設備(以下「対象設備」)を新たに取得等して事業の用に供する場合には、その供用日の属する事業年度において、その対象設備の取得価額の20%の特別償却が可能となります。なお、当該制度は税額控除の適用はありません。

資産の種類 対象となるものの用途または細目 取得価額
特別償却
機械装置 自家発電設備、排水ポンプ 等 100万円以上 取得価額の20%
器具備品 制震・免震ラック、衛星電話 等 30万円以上
建物附属設備 止水版、防火シャッター、配信設備 等 60万円以上

金又は白金の地金の課税仕入れを行った場合の本人確認書類の保存

令和元年10月1日以後に、事業者が「金又は白金の地金」の課税仕入れを行った場合において、その課税仕入れの相手方(売却者)の本人確認書類(個人の場合は運転免許証・住民票等の写し等、法人の場合は登記事項証明書・納税証明書の写し等)を保存しない場合には、当該課税仕入れに係る消費税額について仕入税額控除の適用を受けることができないこととなります。

電子申告の義務化

令和2年4月1日以後に開始する事業年度から、資本金1億円超の大企業等が行う法人税等の申告については、電子申告が義務化されます。義務化の対象となる法人は、同日以後、事業年度開始の日以後1か月以内(新たに設立された法人については、2か月以内)に所轄税務署長に対して届出書を提出する必要があります。また、義務化の対象となる法人が電子申告せず書面により提出した場合には、その申告書は無効なものとして取り扱われることとなり、無申告加算税の対象となりますのでご注意ください。

アクタス税理士法人のサイトはこちら

関連記事