公認会計士 中田清穂の会計放談~RPA編~ 2019.02.01 (UPDATE:2020.12.21)
中田 清穂(なかた せいほ)
さて、前回のコラムでは、日本企業で使われているRPAについて、主な海外製品を4つご紹介しました。
今回は日本で開発されているRPAをご紹介します。
私が知る限り、日本企業で使われている主な国内製品は以下の2つです。
これら2つ以外にもありますが、その多くは、以下の2つのOEMであることが非常に多いです。
いずれも日本で開発されている製品なので、ロボを作成する際にはもちろん、日本語で表現されたメニューで作成することになります。また、ヘルプやマニュアルも日本語なので、日本語で問題なくロボが作成できます。
また、これら2つの国産品に共通して言えるのは、「ITリテラシー」(詳しくは前回分を参照)はほとんど必要ないということです。
但し、いずれも高度な作業をロボ化するためには、それぞれの高度な機能を理解し修得して使う必要が出てきます。
高度な機能とは、具体的には、作業を繰り返させるとか、判断させて作業を分岐させるといった機能です。
また、これら国産品に共通しているのは、スタンドアロン型から始まっているということです。
したがって、複数のPC端末(クライアント)で、どのようなRPAがあり、実行中なのかといった管理は、開発・販売当初はできないばかりでした。
ただ、最近は、これらの国産品でもクライアント/サーバー型のものが出ましたので、スタンドアロン型だけではなくなっています。
さらにこれらの国産品に共通しているもう一つのポイントは、価格が安めであるということです。
ライセンス料や導入コストなどを含む初期投資額は、100万円前後です。
「ITリテラシー」がほとんど必要ないので、経理業務担当者であっても、普段の自分の作業を、自分でロボ化することが十分にできます。
通常半日くらいのトレーニングで、基本的な機能はマスターできるでしょう。
国産品での比較をすると、それぞれ設計思想が異なるので、いろいろな違いがあります。
異なる項目を上げると以下のような項目になります。
私はいずれのトレーニング(初級レベル)も受講して、試用版で実際にロボを作成しました。
したがって、上記内容は私の実感としての記載になります。
正確な情報は、ぜひそれぞれのベンダーにお問い合わせください。
よろしくお願いします。
次回は日本企業の経理部門になかなかRPAが導入できない原因について解説する予定です。
中田 清穂(なかた せいほ)
青山監査法人にて米国基準での連結財務諸表監査に7年間従事。
旧PWCに転籍後、連結経営システム構築プロジェクト(約10社)に従事。
その他に経理業務改善プロジェクトや物流管理プロジェクトにて、現場業務の現状分析や改善提案に参画。
旧PWC退社後、DIVA社を設立し、取締役副社長に就任。DIVA社退社後、独立。