人事労務お役立ち情報 2017.12.01
アクタス社会保険労務士法人
スケジュール
【12月11日】 | 11月入社の雇用保険資格取得届の提出(ハローワーク) 11月分源泉所得税・住民税の納付(郵便局または銀行) |
【1月4日】 | 11月分社会保険料の納付(郵便局または銀行) |
その他チェック事項
-Question-
毎年11月は過重労働解消キャンペーンの実施期間とされ、労働基準監督署による重点監督が実施されます。
重点監督対象の基準の一つに月の残業時間数が設定されていますが、この時間数は何時間を超えてからでしょうか。
(イ)100時間超
(ロ)80時間超
(ハ)60時間超
-Answer-
(ロ)80時間超
時間外・休日労働時間が月100時間超または、2~6か月平均で月80時間を超えると、健康障害のリスクが高まると言われております。労働基準監督署は、1か月で80時間を超える残業の疑いのある事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求があった事業場を対象に監督指導を実施しています。
公表されている平成28年4月から平成29年3月の間で実施された重点監督の実施事業場数は23,915でした。
使用者には、労働時間を適正に把握し管理する責任があります。始業・終業時刻の確認を徹底し、長時間労働が発生した場合は、医師による面接指導等の実施に努めると共に、時間外労働や休日労働の時間を削減していく必要があります。
11月に入り、厚生労働省では「過重労働解消キャンペーン」を実施し、長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた取組の推進が行われています。キャンペーン期間は11月1日から11月30日までの1か月間とされ、過重労働が行われている事業場への労働基準監督署による重点監督の実施が告知されています。
(重点監督対象となる事業場の目安は、本号の「知っ得!労務クイズ」をご参照ください)
重点監督で重点的に確認される事項は以下の通りとされ、法違反等が認められた場合は、是正、指導することとされています。
そして重点監督の結果、重大で悪質な違反が確認された場合には、送検し、企業名の公表が予定されています。
さらに、公表された場合や、1年間に2回以上同一条項の違反について是正勧告を受けた場合、ハローワークにて、新卒者等を対象とした求人を一定期間受理しないこととし、職業紹介事業者や地方公共団体に対しても、ハローワークと同様の取組を行うように協力が依頼される予定です。
キャンペーンを長時間労働削減の機会とし、労働時間の適正把握に何をしていくか、健康障害防止のために何ができるかを今一度見直しましょう。
【質問】
年末調整で、連帯債務がある方の住宅借入金等特別控除申告書が提出されました。確認にあたり注意すべきポイントを教えてください。
【回答】
住宅借入金等特別控除申告書は、確認事項の多い申告書です。
要件に合致しているか、添付書類や捺印に不足が無いか、計算が正しいか、それぞれの確認ポイントを解説いたします。
1.要件に合致しているか
年末調整で適用を受ける住宅借入金等特別控除は、前年以前の確定申告により既に適用を受けていますので、適用要件は基本的に満たしていますが、「その年の12月31日まで(死亡の場合は死亡日まで)引き続き居住している」ことは、毎年確認する必要があります。
住宅借入金等特別控除申告書に記載されている適用を受ける住宅の住所と扶養控除等申告書等に記載されている現住所が一致しているか確認すると良いでしょう。
なお、転勤等により居住できなくなった場合には、適用要件がわかれますので、以下をご参照ください。
【国税庁:転勤と住宅借入金等特別控除等】https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1234.htm
2. 添付書類や捺印に不足が無いか
住宅借入金等特別控除等申告書、金融機関の発行する借入金の残高証明書が添付書類となります。
申告書への本人の捺印はもちろんですが、連帯債務の場合には、申告書の「備考」欄に以下の記載と押印があるか確認しましょう。
なお、連帯債務により負担している年末残高は、確定申告時に提出している「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」に記載の「連帯債務割合」を年末借入金残高に乗じて算出します。住宅の持ち分割合とは異なりますので注意しましょう。
3.計算が正しいか
住宅借入金等特別控除等申告書にそれぞれの金額や割合が正しく転記されていることを確認します。
連帯債務の場合には、年末残高に、上記2で他の連帯債務者が負担することとしている借入金残高が含まれていないことを必ず確認しましょう。
なお、申告書には、確定申告した年に適用を受けた「住宅借入金等特別控除額」の金額が印字されています。本年の計算結果が、この金額を超えることはありませんので、最後に確認を行うようにしましょう。
【借換えがあったときの住宅借入金等特別控除申告書確認バックナンバー】http://www.romu.jp/cms_magazine/2016/11/538.html
【相談内容】
当社では、パートタイマーの労働条件をルール化するにあたり、正社員用とは別にパートタイマー用の就業規則を作成することにしました。就業規則の作成にあたっては従業員代表の意見聴取が必要と思いますが、この場合は、パートタイマーの代表者に意見を求めるべきでしょうか?
【社労士のアドバイス】
就業規則の作成・変更の際に意見を聴くべき相手方については、「当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者」と定められています(労働基準法第90条)。
また、行政通達によれば、パートタイマー用の就業規則のように、一部の社員のみに適用される就業規則の作成・変更においても「当該一部の労働者に適用される就業規則も当該事業場の就業規則の一部であるから、その作成又は変更に際しての意見の聴取については、当該事業場の全労働者の過半数で組織する労働組合又は全労働者の過半数を代表する者の意見を聴くことが必要である」と定められています。(昭和63年3月14日基発150号)
したがって、パートタイマーだけを母数とした過半数代表者ではなくその事業場の全労働者の過半数代表者の意見を聴かなければなりません。
なお、パートタイム労働法第7条では「当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くよう努める」ことが定められています。これは努力義務であり、できる限りパートタイマーの代表者にも意見を聴くのが望ましいですが、就業規則の有効性に関わる手続きとしては、あくまで事業場の全労働者から選出された過半数代表者が相手となります。
アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。 アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング、アクタスITソリューションズと連携し、 中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム導入支援の各サービスを提供しています。
http://www.actus.co.jp/