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9月の人事労務お役立ち情報|『2018年度の最低賃金は、23円~27円の引き上げへ』

9月の人事労務お役立ち情報|『2018年度の最低賃金は、23円~27円の引き上げへ』

 アクタス社会保険労務士法人

今月のお仕事一覧

『9月のお仕事カレンダー』

スケジュール

【9月10日】 8月入社の雇用保険資格取得届の提出(ハローワーク)
8月分源泉所得税・住民税の納付(郵便局または銀行)
【9月30日】 8月分社会保険料の納付 (郵便局または銀行)

法改正・労務トピック解説

『2018年度の最低賃金は、23円~27円の引き上げへ』

2018年度の最低賃金引き上げ額の目安が公表され、全国平均では26円、都道府県別でも23円から27円の過去最大の上げ幅となりました。

都道府県別の目安額は以下のとおりです。

Aランク 27円

東京、神奈川、大阪、埼玉、愛知、千葉

Bランク 26円

京都、兵庫、静岡、三重、広島、滋賀、栃木、茨城、富山、長野、山梨

Cランク 25円

北海道、岐阜、福岡、奈良、群馬、石川、岡山、福井、新潟、和歌山、山口、宮城、香川、徳島

Dランク 23円

福島、島根、山形、愛媛、青森、岩手、秋田、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島、宮崎、沖縄

引き上げは各都道府県労働局の審議・決定後、10月より順次適用となる見込ですが、本年については上記目安額よりも最低賃金額を引き上げる動きが相次いでいますので、今後もその動向が注目されます。

最低賃金はパート、アルバイトなどの名称や雇用形態にかかわらず、原則としてすべての労働者に適用され、最低賃金額以上の賃金を支払わない場合には罰金が科されますので、人事担当者は事前に確認をしておきましょう。

今月の人事労務相談室

『月給制社員の最低賃金額の確認方法』

【相談内容】

月給制社員の賃金が最低賃金額以上の設定になっているか、どのように確認すればよいですか。

【社労士のアドバイス】

最低賃金の対象となる賃金を特定し、その合計額を時間給に換算して比較します。

最低賃金の対象となる賃金は、通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られ、時間外労働手当や賞与等、次のような賃金は除きます。

(最低賃金法第4条第3項、同施行規則第1条)

  1. 臨時に支払われる賃金
  2. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
  4. 時間外労働手当、休日労働手当、深夜労働手当

次に、最低賃金は時間額で定められていますので、月給制社員の賃金が最低賃金以上の設定になっているかを確認するためには、次の方法で時間給に換算して比較します。

<月給制社員の比較方法>

月給÷1か月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

例えば、基本給が160,000円、固定残業手当が40,000円、

合計で200,000円を支給しているケースで比較してみると以下のようになります。

(1日に所定労働時間8時間、年間所定労働日数250日)

(1)最低賃金の対象とならない固定残業手当を除きます。

200,000円-40,000円=160,000円

(2)この金額を時間額に換算して、最低賃金と比較します。

160,000円÷(250日×8時間÷12か月)

=960円<985円(東京都)

この場合最低賃金を下回ります。

したがいまして一定時間の割増賃金を固定的な手当として支給している場合や、基本給に含めて支給している場合は、その部分を除外した金額を基に算出をすることになりますので、人事担当者は注意が必要です。

人事が企業成長を支える時代、戦略人事を実現するために必要な土台の作り方

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