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第5回 「今の経理部門は『良い職場』なのか?」

掲載日:2020.01.08
新年あけましておめでとうございます。

本コラム「公認会計士 中田清穂の会計放談」は、おかげさまで3年目に突入することになりました。
昨年一年間は、「RPA(ロボティクス)特集」として12回にわたって、「どうすればRPAの導入が成功するか」を中心に、
どうして失敗するのかについても、私の経験や考えを説明してきました。

RPA特集は昨年で終了し、年が明けて本来の「会計放談」に戻ります。


さて、経理部門での大きな課題の一つに「人材育成」があります。
専門的な知識を必要とする経理業務はなかなか習得してもらえない。
また、せっかく経理部員を育ててスキルアップしても、異動を希望したり、退職をしてしまう。
こういった悩みを非常に多く聞きます。
一般社団法人日本CFO協会などのリサーチでも、経理部門の「人材育成」は重要課題の常連です。

20年くらい前は経理部員の転職はあまり耳にしなかったように思います。
しかし最近、経理部員の転職のお知らせを頻繁にいただくようになりました。
連結決算や上場などを経験すると、大変希少な人材となり、転職すると給料があがるからしかたないと受け止めることが多いと思います。

私自身、その考えを強く持っています。

しかし、社員が異動や転職を希望するのは、給料だけではないかもしれません。
2019年4月に、ソニー生命保険株式会社(以下、ソニー生命)が、社会人1年目と2年目の意識調査を実施した内容と分析を公開しています。

公開したのは、2019 年3 月15 日~3 月22 日の8日間、2019年春から働き始める社会人1年生、
または、就職してから1 年が経つ社会人2 年生で20~29 歳の男女に対し、
今年で6 回目となる「社会人1 年目と2 年目の意識調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果です。

この中で私が注目したのは、「良い会社(職場)だと感じるのは、どのような会社(職場)か」という質問項目です。

その結果は、男女で少し異なりますが、上位3項目は以下のようでした。

1位:職場の人間関係が良い(57.0%)
2位:福利厚生が充実している(53.4%)
3位:給与が高い(46.3%)

給料は第3位です。1位ではないんですね。
46.3%で、トップ3には入っていますが、1位ではない。

第1位の「職場の人間関係」は、単純ではなく、ちょっと奥深い項目だと思います。
まず、パワハラやセクハラがあったり、不公平があったりするケースは論外ですが、
ハラスメントや不公平がなくても、良い人間関係が築けないことも多いと思います。

「人間関係」を考えるときに、私が大切だと感じるのは、お互いに尊重し合えているかどうか、だと思います。
それぞれの仕事を「当たり前」として接するのではなく、どんな仕事でも、存在意義を認めて、「感謝」の気持ちを持ち
さらに感謝の気持ちを「きちんと伝える」ことが大切だと思います。

経理部門では、ルーチンワークが多く、「やって当たり前」の意識になりがちで、
いちいち「感謝」の気持ちを表現することはめったにないのではないか、と思ったりします。
そもそも、日本人は感情を表現することが苦手だと言われています。また、減点主義が身についていて、ミスや遅延に厳しくなりがちです。
特に経理関係者はその傾向が強いという話も良く耳にします。

せっかく育てた人材が離れていかないようにするためには、「福利厚生」や「給料」なども重要なポイントですが、
経理部門の職場を尊重し合える職場に変えられれば、課題を乗り越えることができるかもしれませんね。

ちなみに、「先輩に言われたら、やる気が奪われてしまうセリフ」のトップ3は以下です。
1位:この仕事向いてないんじゃない?(31.0%)
2位:やる気ある?(25.5%)
3位:ゆとり世代だなぁ(23.7%)

くれぐれもお気を付けください。

注)本コラムで参考にした、ソニー生命の調査結果はこちらです。

著者プロフィール

中田 清穂(なかた せいほ)

青山監査法人にて米国基準での連結財務諸表監査に7年間従事。
旧PWCに転籍後、連結経営システム構築プロジェクト(約10社)に従事。
その他に経理業務改善プロジェクトや物流管理プロジェクトにて、現場業務の現状分析や改善提案に参画。
旧PWC退社後、DIVA社を設立し、取締役副社長に就任。DIVA社退社後、独立。

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